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あなたに抱かれたい
第12章 年末年始

「わかった…パーティには出席させてもらうと先方に伝えておいてくれ」

帰れないと連絡したら久美子のやつ、怒るだろうなと彼女の怒っている顔が目に浮かんだ。

通話を終えて、日本に行きたいとせがんで膨れっ面のアーヤに
「アーヤ、喜ぶべきか悲しむべきか、僕は日本に帰れなくなった」と告げると、アーヤは先ほどまでの膨れっ面を消し去り「おお!あなた!あなたと離れなくてもいいのね?」と抱きついてきた。

帰国出来なくなったことを一刻も早く久美子に伝えなくてはいけない。
おそらく日本は真夜中だろうけど、こういうことは引き伸ばしてしまうとトラブルの原因にもなりかねないので、叩き起こすつもりで久美子に連絡を入れた。

- もしもし、あなた?こっちは夜中の2時よ、いったいどうしたの? -

叩き起こされて、少しばかり怒った口調で久美子が電話に出た。

「とても言いにくいことなんだが…
予定していた一時帰国がダメになった…」

- ちょっと待ってよ!ダメになったってどういうことよ? -

「急な仕事のアポイントが入ってしまったんだ…
これを逃すととんでもない損失につながるんだ」

- まあ!…そう言うことなら仕方ないわよね…
あっ!そうだ!じゃあ、私がそっちに行ってもいいかしら? -

「えっ?君が?」

- だって私たち新婚なのよ。初めての新年ぐらいはあなたと向かえたいんですもの -

むげに断るのもおかしな話なので、拓哉は仕方なく了承した。

通話を終えると、アーヤがニコニコ顔で待っていた。

「奥さまが来られるのね?」

「ああ、そういう訳で妻がこっちに来ている間は君に元の部屋へ戻っておいてもらわなきゃいけない」

「どうして?」

「当たり前だろ!旦那がドバイに現地妻を囲って同棲しているなんてバレてみろ、俺たち夫婦は破局一直線じゃないか!」

「まあ!それは大変喜ばしい事だわ!」

「ん?!言ってる意味がよくわからないんだが…」

「破局って離婚って意味ですよね?じゃあ、私は堂々とあなたの妻になることが出来る訳ですもの」

「あのねえ…僕は妻とは別れるつもりはないよ」

「ジョークのわからない人ね
本気で言ってる訳じゃないわ。でも、私の事はちゃんと奥さまに紹介してね」

紹介ねえ…なにやら企んでいるアーヤの顔を見て、拓哉は背筋が寒くなった。

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