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あなたに抱かれたい
第12章 年末年始
ドバイの拓哉の部屋でもアーヤが急いで荷造りを始めていた。
この部屋に転がり込んでから、まだ日は浅いものの、それでもアーヤの衣料や日用品がかなりたまっていた。
「本当に申し訳ない」
大きなトランクを転がして拓哉はマンションの下で待たせているタクシーまでアーヤをエスコートした。
「それじゃあ、元日の朝、お迎えに参りますわ」
「悪いな。部屋を追い出しておきながら秘書として元日のパーティに駆り出すなんて、俺はひどい上司だよな」
「いえ、気にしないでください
ここに転がり込んだのも私の意思でしたし、仕事上、あなたに寄り添うのが私の務めですから」
でも…物分りのいい女だとは思わないでね
そう言ってタクシーに乗り込む前に運転手の死角になった場所でアーヤは拓哉にキスをした。
アーヤを乗せたタクシーを見送りながら、拓哉も「さて、俺もそろ久美子を迎えに行く用意をするかな」と自室に戻って空港に到着する久美子を出迎えるために出掛ける用意をした。
空港には思いの外に早く着いてしまい、久美子の乗った飛行機が到着するのをかなり待った。
電光掲示板に日本からの直行便が到着したとの案内を受けて、ゲートから出てくる久美子を今か今かと待ちわびた。
軽装の乗客に交じって冬物衣料に身を包んだ久美子が拓哉を見つけると、腕が抜けんばかりに大きく振って再会を喜んだ。
「あなた、来ちゃいました…」
「来てくれて嬉しいよ。長旅で疲れたろ?
俺の部屋で少し横になるかい?」
「ええ、素敵なレストランで外食もしたいけれど、今はとにかく体を横たえたいわ」
再会を喜んでハグしたいところだが、すっかりこちらの風習が身に染み付いて人前で堂々とハグするのを躊躇した。
とにかく横になって休みたいという久美子の希望を叶えるべく、二人は拓哉の住まいとなっているマンションの一室に落ち着いた。
横になって休みたいと言っていた割に、久美子はマンションに着くなり部屋中をくまなく見て回って「素敵なお部屋ね、掃除も行き届いているわ」と誉めちぎった。
「あなたが掃除なんてするわけもないわよね?ルームキーパーでも雇っているの?」
「いや、秘書の女性が小まめに掃除してくれるんだよ」
「へえ~…秘書ってそんなことまでするのね…」
久美子は疑心暗鬼の眼差しを拓哉に注いだ。

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