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あなたに抱かれたい
第13章 高校受験

「お前、何やってんだよ!」

正弥は音もなく女生徒の背後に回り込んで叱りつけた。

「あっ!」

彼女は慌ててタバコの火を消して立ち上がった。

「タバコなんてやめておけよ
見つかったら即不合格だぞ」

デキの悪い正弥だったが、素行は極めて穏やかで、不良というものには縁がなかった。

「ほっといてよ!誰が何しょうが勝手でしょ!」

「そりゃ勝手だよ。でもな、試験結果で不合格になるのは仕方ないにしても、喫煙で不合格なんて格好悪いだろ」

「わかったわよ」

バツが悪そうに女生徒はその場を離れようとした。
しかし、足を止めて振り返り「あんた、何て名前?」と尋ねてきた。

「俺?俺は正弥。篠塚正弥」

「そう、正弥くんね
私は早季子。美咲早季子よ。よろしくね
ねえ、正弥。あんたさあ、試験が終わったら暇?時間ある?」

初対面でいきなり名前で呼び捨てかよ!
正弥はムッとしたがバカ正直なだけに「暇だよ」と返答した。

「じゃあ…試験が終わったら校門で待っててよ。約束だからね」

校門で待ってろなんて何だよ!
まさかカツアゲでもされんのか?
いやいや、それなら校舎裏とか人目につかない場所に呼び出すだろ?
いったいなんだって言うんだよ。

試験中もずっとその事が気にかかっていて試験はさんざんなものだった。
まあ、正弥の実力からしても、そんなことがなかったにせよさんざんな結果になるのは目に見えていたが。

試験が終わり校門に行ってみると、約束通り早季子が正弥を待ち構えていた。

「ちゃんと約束を守ってくれたのね。偉いじゃん」

「偉いも約束もねえよ、ここを通んないと帰れないだろ」

正弥がそう答えると、早季子は今さらながらにハッと気づいたようで「そっか~!そうだよね」と一人で合点してクスクスと笑いだした。

その笑顔が屈託なく、メイクをして大人ぶってはいるが、やはりそこは15歳の女の子だなと思った。

「ね、正弥はこの後暇だって言ったわよね?
じゃあさ、カラオケ行こ!二人でお疲れさん会しましょうよ」

タバコを吸うけど、根は純情そうだし、何よりも美人でしゃべり方といい、どこか姉の茉優に似ている彼女の誘いを断れなかった。


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