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あなたに抱かれたい
第14章 高校入学と姉との別れ

「ごめんなさい…こんなお店しか取れなくて…」

個室には違いないんだけれど、すぐ前の廊下を「生ビール一丁!喜んでぇ!!」と店員さんがバタバタ走り回るものだから、ゆっくりと食事をすることさえままならない。

「ね、お祝いの席なんだから、ちょっとだけお酒を飲ませてもらってもいいかしら?」

久美子がお酒に目がなくて、酔っぱらうととんでもないことになるとも知らず、少し嗜む程度だろうと思った正弥は「ええ、どんどん飲んじゃってください」とお酒を勧めた。

生ビールに始まり、ワイン、日本酒ときて、ついには焼酎をロックで飲み始める頃には顔を真っ赤にして「こら!こっちに来てお酌をしなさい!」と正弥をとなりの席に座らせて肩に腕を回して体を密着させてきた。

『うわ~っ!久美子さんって清楚だと思っていたけど、酔っぱらうとめちゃくちゃボディタッチしてくるじゃん』

未成年の正弥は酔っぱらいの扱いも上手くなく、ただただ久美子さんのいいなりになってしまう。

そのうち、正弥を夫の拓哉だと思い始め「こら!拓哉ぁ!あんたね、新妻をほったらかしにしてどういうつもりよ!」と絡んできた。

「母さん!僕だよ、正弥だよ!ほら、しっかりして!」

「正弥ぁ?ふん、誤魔化そうとしたってそうはいかないわよ!
ほら、掴まえた!もうどこにも行かさないんだからぁ!」

そう言いながら正弥の体のあっちこっちを撫で回し始める始末だ。

「母さん、飲みすぎだよ!完全に酔っぱらっちゃってるじゃん!ほら、もうそろそろ帰ろうか」

まだフラフラだけど歩けるうちに家に連れて帰った方が良さそうだと正弥は居酒屋から出ることにした。

「すいません、お会計お願いします」

呼び鈴を押して店員さんを呼ぶと
「お客さん、お連れさん大丈夫っすか?タクシー呼んでおきましょうか?」と心配してくれた。
「ええ、ぜひお願いします」と依頼すると、手慣れているのか店員はスマホを使ってタクシー会社に配車の手続きをしてくれた。

ほどなくしてタクシーが到着し、正弥は「母さん、カードを使わせてもらうよ」とバッグから財布を取り出してカードで会計を済ませた。

「ほら、母さん帰るよ」

「うん。わかってる、わかってるってば!」
そう言うものの自分では立てそうもない。店員がこの時が役得とばかりに久美子を抱き上げた。

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