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防音室で先輩に襲われて…
第11章 カラダ目的なんて生ぬるい
コラボカフェを後にしたふたりは、5階からエスカレーターで順に降りながらビルの中をぶらぶらと見て回っていた。
ほとんどがレディースファッションの店で、ウィンドウに並ぶワンピースやブラウスが午後の陽射しを浴びてキラキラ光る。乃ノ花の視線が、つい胸元のレースやスカートの裾のフリルに吸い寄せられる。
(……こんな服、着てみたい。でも、わたしが着たら、きっと変だよね。鏡に映る自分はいつも、ぼんやりとした影みたい)
心の奥で自分を卑下する声がささやくように響く。いつもそうだ。誰かと比べて、欠けている。
でも今日は違う。
椎名と一緒にいる。コラボカフェで笑った。自分の好きなことについて話せた。キーホルダーがカバンの中で優しく揺れている。
(……楽しい、なんて思うのは違う。きっとすぐに裏切られる。先輩の優しさは、罠。でも、そうわかってるのに嫌じゃない……)
「服のこだわりとかあるの?」
椎名の声に、ビクッと肩が跳ねる。心臓が喉まで上がりそうだった。
「こだわりとかは無いんですけど」
声が震えた。
嘘。本当はこだわりたい。可愛くなりたい。誰かに…認められたい。
でも、言えない。言ったら笑われるから…。

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