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防音室で先輩に襲われて…
第11章 カラダ目的なんて生ぬるい

 ビルとビルの間にひっそりとある小さな神社に、ベンチがひとつ。

 乃ノ花はそこに座らされて、すりむいた膝に絆創膏を貼られていた。

「急に走り出すなんて困った子だね」

「……っ、ごめんな、さい」

 弱い自分……許されたい。

 椎名は簡単にだが怪我の手当てを終えた。

「……おしおきがほしいの?」

 椎名の手がワンピースの裾からはいって、太ももをなぞった。

「やめてください」

 乃ノ花の目に涙が滲んだ。ポロポロと泣き始める。

 心が、千切れそうだった。

「けっこう良いデートにできたと思ったんだけどなぁ」

 泣いている彼女を見上げながら、椎名が呟く。

「デート……は、楽しかったんです……!」

 本当。初めての、普通のデート。

 心が温かかった。

「でも先輩は楽しくなかったですよね。だって……っ、先輩はわたしのカラダが目当てで!いやらしいことして、わたしを虐めるのが好きなだけ」

「……」

「最低、です」

 ぐっと嗚咽をこらえて、相手を睨む。

 椎名が黙って見つめ返す。

 あまりに真っ直ぐ見つめてくるから……乃ノ花も懸命に目をそらすまいとする。



「カラダ目当てなんて……──なまぬるいな」


「……っ」


「俺の目的は君のぜんぶだよ」



 ベンチの前で腰をおろしていた椎名が身を乗り出し、座る彼女に覆い被さった。

 背もたれに両手をついて、逃げ道を奪う。




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