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防音室で先輩に襲われて…
第15章 通知画面

「君はやっぱり変なところで、勘がいいね」

 彼は思わず手を伸ばし…乃ノ花の顔に触れた。
 
 頰の柔らかな感触。

 温かく、わずかに湿っている。

 指先がそんな彼女の肌を優しくなぞる。

「どのみち、わざわざ君つれて観戦には行かないよ。乃ノ花ちゃんルールもろくに知らないでしょ」

「う…」

「だったら君が好きな所に連れていくさ」

「わたしはっ先輩が好きな所に行きたいんです」

「どうして」

「先輩を知りたいので……」

 少しだけ乃ノ花の目が泳ぐ。

 俯こうとするのを、頬にそえた手が、妨げた。


「…っ」


 指が、彼女の顎を優しく持ち上げる。

 視線が絡み合う。

 乃ノ花の瞳が……熱く潤む。


「俺に媚をうって、逃がしてもらうとしてる?」


「……!」


「何度も言ってるけど逃さないよ、俺は」


 いつも乃ノ花を捕らえて離さないのに、歩み寄られると逆に…疑い深くなるその視線。

 乃ノ花の思いは伝わっていない。伝えるべきだろうか。彼女の中で変わりつつある、この男への感情を──。


「椎名先輩……」


 いま、こうして頬に触れられているだけで、熱くなってしまう身体のこと。

 そして──高鳴ってしまう心のこと。




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