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防音室で先輩に襲われて…
第10章 図書館でふたり
乃ノ花は深入りしないようにして、自分の問題集を開いた。関数の問題だ。
カキ カキ カキ
シャーペンを握る手が、少し震えている。
勉強したいと言って図書館を選んだのは自分だ。集中しないと。
だが
(図書館デートなら無言でも大丈夫、なんて……)
浅はかな企みだった。
確かに学習室は私語禁止。
でも、音がないからこその緊張感がある。
すぐ隣にいる椎名の香り──ほのかに甘い、柑橘とムスクが混じった匂い。ページをめくる指の動き。そして、その体温まで感じてしまいそうだ。
制服の袖から覗く腕の筋肉が、微かに動くたびに視界の端で揺れる。
乃ノ花なんとか集中して問題を解き進めた。式を立てて、グラフを描く。でも……頭がぼんやりする。椎名の存在が、皮膚越しに迫ってくる。
トントン
「──…っ」
しばらく経ったある時、椎名が机を軽く叩いた。
「…?」
「……」
椎名がノートを指差す。
見ると、ノートの端にグラフが描いてある。
自分の回答と見比べる。……接点tの符号が違った。

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