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防音室で先輩に襲われて…
第10章 図書館でふたり

 乃ノ花の指が、無意識に震えて、椎名の指に絡み返した。

(だ、だめ…… こんなの、図書館で……) 

 誰かに見られたら。でも、椎名の指は止まらない。

 中指が、手首の内側を這う。血管を爪で軽く弾かれて、脈が跳ね返る。そして脈が跳ねるたびに、指の腹で押し返される。ドクン、ドクン。心拍がそのまま伝わる。まるで、椎名が乃ノ花の鼓動を握っているようだった。

 ──手首一本で、全身が支配されている。

 乃ノ花の太ももが無意識に擦れ合った。昨日も椎名にされた淫らな仕打ちを思い出して……。

 思い出して、緊張が興奮に変わっていく。下着が、じんわりと湿る。冷房の風が熱くなった頰を撫でるも、乃ノ花身体の芯は燃えていた。

「…ッ…はぁ、…はぁ……!」

 ドクドクと心臓が鳴る。

 耳元で、自分の鼓動が聞こえる。

 涼しい部屋なのに、額に汗が滲む。

 握られていない右手が震えてシャーペンを持っていられなくなる。

 カタカタと、机の上で音を立てる。

 ──すると椎名が、耳元で囁いた。



「外に出ようか」 



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