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夫の上司に手籠めにされる若妻
第1章 凌辱
リストラが避けられるかもしれないという渡辺の言葉に、美幸は期待の光を宿して顔を上げた。しかし、美幸の目に飛び込んできたのは、さっきまで神妙なふりをして難しい顔をしていた渡辺の、嫌らしく歪んだ表情だった。その目つきは、明らかに夫のリストラとは無関係な、別の意図を美幸に突きつけている。

「それは、どういうことでしょうか?」

美幸の心臓が警鐘を鳴らし始めた。美幸は、口に出すのも恐ろしい嫌な予感を覚えながら、必死に平静を装って問い返した。

美幸の問いに対し、渡辺はにやりと口角を上げ、周囲に聞かれないよう、さらに顔を近づけ声を潜めた。その吐息が美幸に届くほどの距離だった。

「桜井君の今後について、これから二人きりでじっくり相談しましょうよ」

渡辺の声音は、甘く、そして極めて嫌らしいものに変わっていた。それは、上司としてではなく、一人の卑劣な男として美幸に迫る声だった。

「奥さんも子供じゃないんだから、言ってる意味分かりますよね?」

その言葉は、リストラという事態を利用した、最も下劣な脅迫と要求だった。美幸は、渡辺の顔つきと声に含まれた明白な欲望を理解し、体中に冷たい震えが走るのを感じた。

「そんな…」

美幸は小さく呟いた。
誠しか男性を知らない美幸でも、渡辺の言葉の意味は明確に理解できた。

(いくら主人のためとは言え、好きでもない、しかも主人の上司とだなんて、とても受け入れられないし、許されない…!)

美幸の倫理観と、長年培ってきた貞淑さが、激しく拒絶の声を上げた。しかし、同時に、誠がリストラされてしまったら、その後の生活はどうなるのか、という現実的な不安と絶望が重くのしかかる。

きっぱりと断るべきであると頭では分かっているのに、夫の未来を天秤にかけられ、美幸は俯いて固まってしまうことしかできなかった。その表情は、苦悩に歪んでいる。

そんな美幸の心理を見透かすように、渡辺は身体を起こし、椅子に深く預けた。その態度は、美幸の動揺を楽しみ、さらに追い詰める意図が見え見えだった。

「まあ、無理にとは言いませんよ」

優しい言葉とは裏腹に、渡辺の声には一切の容赦がない。
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