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The altar of a sacrifice
第2章 漆黒の夜に咲く悲鳴
足元から背後を覗くとビショビショに濡れた腕。
チラリと見える床に張り付いた長い黒髪。
「死者蘇生~♪」
けれど、聞こえた声はあまりにも陽気なものだった。
俺の背後でその声の主がゆらりと立ち上がる。
「えっ、誰コレ…」
俺を指してまたしてもコレ呼ばわり…。
「まぁ、美來嬢。今宵もお二人は仲がよろしいのね」
スタスタと歩いて前に出たその人は美來と呼ばれていた。
さっき琉生が庭のプールに沈めたとか言ってた、あの…。
腰まで伸びた黒髪はぺったりと身体に纏わり付いている。
足に付いた鎖と錘の玉を引き摺って、美來は琉生の横に並んだ。
「あはぁ、ありがとう」
琉生の肩に頬を寄せる。
見えた顔は綺麗系の美人。
鼻筋が通っていて切れ長の目。
大人っぽい雰囲気は長い黒髪がそう感じさせるのかも知れない。
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