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The altar of a sacrifice
第2章  漆黒の夜に咲く悲鳴




『人の家で何してくれてんだよ』とは思ったが、ここで怒った所で話が進まない。


亮太はまだ部屋の奥でやいやい文句を言っているし、他の奴等もそれぞれにざわつき始めている。


まずはこの部屋に集っている鈴音以外のコスプレ変人達について訊ねた方が良さそうだ。



「あのさ…、この人たちって誰?」



「おめぇが誰だよ」と言う亮太の言葉を完全に無視して鈴音が答えた。



「そっかー、まだ紹介していなかったよね」



ふふっと意味深に笑って鈴音はその場でくるっと回った。


そして部屋の半ばまで歩むとある所でピタリと止まった。



「じゃぁ、ご紹介します」



亮太の方を指差して言う。



「コレが亮太。今日はヴァンパイアやってるんだけど、コイツ絶対狼男面だよね。ワイルド系だよね。っていうかヤンキー?ヤンキー面。でもね~、毛皮がチクチクして狼男着るの嫌なんだって。繊細~、ぷくくく……、顔に似合わず繊細!!顔に似合わず神経質。顔に似合わず!!でも多分、決定打はヴァンパイアが一番女性ウケが良さそうだからとか、そんなくだらない理由だと思うけどね~」



「うるせぇ、なんつう紹介だよ。ひでぇにも程があるだろが」



「それでね、こっちが…」



またしても亮太が文句を言うが、何も無かったかの様に鈴音はサラっと流す。


さっきからこの亮太の扱いがぞんざいな気がするのは、俺の思い違いでは無さそうだ。






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