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The altar of a sacrifice
第3章 深紅に濡れる祭壇

祭壇が近づいてくる。
この館に見劣りしない豪華な金装飾の祭壇に大きな逆十字がかかげられている。
近づくとそこには一人の女性が横たわっていた。
髪の長い綺麗な女性だ。
幼く見えるようで妖艶にも見える。
歳はいくつかと言われると言い難い。
少女にも見えるが、その身体から醸す艶は大人の女性のソレでもある。
彼女の髪は銀色に輝き、悪魔崇拝には似つかわしくない程神々しい。
真っ白な総レースのドレスを纏って、まるで天使のようだ。
眠っているのか?
まさか、死んでいるなんて事は無いだろうな?
「ベリアル…」
公秋さんが横たわる彼女に声をかけた。
「大丈夫、もうすぐだからね…」
ひとしきり横たわる彼女の髪を撫でてから、鈴音に目配せする。
「捧げ物の血を…」
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