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The altar of a sacrifice
第3章  深紅に濡れる祭壇 






コクリと鈴音が頷いた。


俺の首元にある短剣がキラリと光る。


もう駄目だ…。


俺は強く目を瞑った。



「痛っ…」



指先に僅かな痛みがあった。


…あれ?


そっと目を開ける。


俺の指先から赤い雫が落ちている。


もしかして…、血が必要ってコレか…?


隣で鈴音が短剣を片づけている。


首が繋がっている。


…死ぬかと思った。



「さぁ、綾くん…この娘の唇に紅を入れて…」



斬られた人指し指を示して公秋さんが促す。



「我は求め訴えたり…、今ここに生贄の血でその唇に紅を引け…」



ここまできたら、それくらいの用など安いものだ。


もう、どうとでもなってしまえ。


ベリアルと呼ばれた彼女のもとに寄ると、その唇に赤い血を引いた。


鈴音がよっぽど深く切ったのか、その間に赤く溜まりが出来る程俺の血は水々しく唇を濡らしていた。










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