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The altar of a sacrifice
第3章 深紅に濡れる祭壇

途端にぐらりと世界が揺れた。
甘ったるい香の匂いのせいか元々少し朦朧としていたが、今度は明確に意識が揺らぐ感覚がある。
バタン…
大きな音が部屋に響いて、まず初めに鈴音が床に倒れた。
ぐるぐるとまわる視界の中でなんとか鈴音を抱き上げる。
「おい、大丈夫か?」
「綾人…、せい…こ…う…だよ…」
掠れた声で鈴音が答えた。
それだけ言って言葉が途切れ、鈴音の身体から力が抜けていく。
だらりと俺の腕の中から鈴音の腕がこぼれ落ちて、力無く床に動かなくなる。
何が?
何が成功だよ?
これのどこが成功だよ?
バタン…。
ドドッ…。
未來が倒れ、琉生が倒れ、雪姫・花姫が倒れ、この部屋にいる人物が順に倒れていく。
一体これは何の儀式だったんだよ。
「おい…オマエ、生贄の義務を果たせ…」
ザザッ…。
亮太が最後にそんな事を言いながら倒れ込んだ。
柱に背をもたれるようにして動きが止まる。
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