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何処にでもいる悪女
第3章 別の私
「こんばんは。お連れの方は帰られたのですか!?
少しの時間お隣宜しいですか?」


シャンパンの男性だった。

「あ…。先程はご馳走さまでした。とてもフルーティで軽やかなシャンパンでしたね」


「シャンパンお好きそうですね。…良かった 」


落ち着いたバリトンボイスが私の緊張感を和らげていく。


「お連れのあの可愛らしい彼女とは、何度か顔を合わせたことがあります。
貴方とは初めまして…デスね」


眼鏡の奥の瞳が優しさをたたえながら微笑んだ。

私は火照りそうな頬に手を当てながら俯いた…


「初めて来たんですけど…素敵なお店ですね…」


隣に座った彼からは爽やかな柑橘系の香りが優しく漂う…
それは甘く私の心を刺激した。


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