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第3章 別の私

｢失礼しました。名前も名乗らず…僕は林 孝一と申します。｣


｢私は…紗英、水島 紗英と言います。｣


｢今夜は素敵な夜ですよ。残業で疲れて、同僚と一杯ひっかけたら電車に乗り遅れて…
次の電車までの時間潰しのつもりで此処に来たんです。貴方の様な素敵な方と会えるなんて…
ついてます。(笑)｣


｢まぁ、誉めすぎです…｣


｢こんな風に女性に声を掛けるのは初めてなんですよ。(笑)
勿論ドリンクを差し入れするのも…紗英さんは特別です…｣


照れながら額に掌をを当てる彼から目を逸らせなかった…


"貴方の左手のリングは赤信号のように私の心に歯止めをかけてくれますか？"