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御朱印女と怪談男
第3章 金の切れ目がなんとやら
「ま、まあ・・・好きだから」
ははははは・・・適当に笑って誤魔化してみた。

ただ、なんとなく私たちはこのまま一緒に『あれが日本武尊像だ』とか、『こっちが奥宮の遥拝所だ』とか言いながら境内のあちこちを散策したり、互いに写真を取ったりして回った。
結局、彼も同じバスに乗り、その道程でも、いろいろと神社の豆知識(例えば遥拝所ってなんだ?とか、奥宮って?とか、日本で一番偉い神社ってどこだ?とか)について話しながら帰ることになったのだった。

なんか、こういうの久しぶりだな・・・
私はそんなふうに感じていた。

バスの道のりは80分。
行きはえらく長いと感じたのだけど、帰りは、『え?もうここまで来たの?』・・・そんなふうに思ってしまっていた。

ただ、どう思おうがバスは進むのであり、最終地点には到着する。16時少し前、ついにバスは西武秩父駅に到着したのだった。

「じゃ!オレは土産見るから。世話になったな」
ひらりと「怪談男」が手を振った。
「うん、私は秩父神社を周るから」
私も手を振った。

バスの中でもそう話していた。
彼が西武秩父駅の方に向かって歩いていく。少しだけその背中を私は見て、右手の方に進もうとした。秩父神社・・・今なら御朱印がまだもらえるはず・・・いや、今日は二年参りの参拝者がいるから時間制限ないか・・・ならゆっくりでもいいのかな?

パン!パン!
脳裏に柏手の音が響いた。

『神様・・・顔は若干イケメン、優しくて・・・』
ああ、なんだかんだ言って、御朱印帳取ってくれたよなあ・・・

『怪談が好きで・・・』
楽しそうに怪談語ってた・・・

『私の話をよく聞いてくれて・・・』
御朱印の話や、神社の話を聞いている興味深そうな顔が蘇る。

ピタリ、と私の足が止まった。

そういや、縁結びの木の前で・・・会ったじゃん!
名前も、聞いてないし!

くるっと私は回れ右をした。
彼は、駅舎に吸い込まれる寸前だった。
私は駆け出していた。そして、

「ちょっと待って!」

それは、私の人生に、これまではなかったことだった。
私の声を聞いて、怪談男が振り返る。

「あ・・・あのさ!・・・も、もう少し、付き合ってくれない?」

はあ、はあ、はあ・・・肩で息を切らせて、私は彼を引き止めていた。
こんなことしたのは、初めてだった。
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