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御朱印女と怪談男
第1章 出会い?
男はちらりと腕時計を見る。まだバスの時間まであるからか、もう一度、先の本を開いた。

ちらちらちら・・・
私の目は再びその本に注がれた。

『オレは車を無理矢理に展開させると、慌ててその場を後にした。後ろからは、まだザリザリ、ザリザリと先ほどの音が聞こえている気がする。背筋に寒気が走るのを感じながら、オレは最大限の速さで山道を駆け下りた。
 結局、あの地蔵たちは一体何だったのか、なんであんなモノがあそこにあったのかはわからずじまいだった。今でも、車に乗ると、あのザリザリ、ザリザリという音を思い出しそうになってしまう。』

ええええっ!

どうやら男は、私より先を読んでいたらしい。ページがめくられたところから始まって、私に見えたのは、この最後のフレーズだけだった。

地蔵は!?
何があったの?

めっちゃ気になる・・・。ザリザリって何?地蔵を見てなんで驚いたの!?

「あの・・・」

男性に声をかけられてふと我に返る。気がつくと、目の前にバスが到着していた。前にいたおばさんはとうの昔に乗車しており、後ろの男性は私が立ち上がるのを待っていたようだった。

「あ・・・は、すいません」

ぺこぺこと頭を下げ、私は慌てて、スマホを乗降口の機械に押し付けた。
そして、その時、ボソリと男性が言った言葉を、私の耳は聞き逃さなかった。

『勝手に見んじゃねーよ、ばーか』

っ!!!!!!
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