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Night BAR
第2章 〜ミサside〜

「ミサさん。」

友介だ。

「どうしたの?」

そう言って友介の方を見る。

「さっきの女性客、うまく言ってお帰りいただきました。」

「えぇ、ありがとう。」

タバコのはいを灰皿へ、トンッと

落としながら、あたしは友介にお礼を言った。

「それにしてもミサさんが、

あんな事を言うなんて

珍しいですね…クス…。」

友介はさっきのあたしの発言を思い出し

軽く笑った。

「なに笑ってんのよ」

軽く友介に睨みをきかすと

「すみません。意外だったもので。」

と、まだ笑いが収まらない顔をしている友介。

「あたしだって、自分にびっくりよ。

それより、

なんだか気分が優れないわ〜。

先に上がるわねー。」

あたしはタバコを消し、

二階の自分の部屋に繋がる

階段へ向かった。

「えぇー!!

ミサさんまたですかー!?」

あたしはよくこうして抜けることが

多々ある。

だから友介はあからさまに嫌がってみせる。

それでも、

気が向かないから仕方ない。


「いいじゃないのー。

客なんかそんなこないんだからー。」


「客の来ないようなとこに店を開いたのは

誰ですかー!!」


「仕方ないじゃない。

家付きだったんだもの。」

そう言って階段を上がった。

「ミサさーん!!」

下で友介がまだなんか言ってるけど、

あたしは無視して、

部屋に入り、鍵を閉めた。



靴を適当に脱いで

蝶ネクタイを外すと、

テーブルに投げ、

すぐさまベッドに寝転ぶ。


天井を見つめたまま

脳裏をよぎるのは、

あの女性客だった。



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