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Night BAR
第1章 BAR
昔は、幸せだった。
まるで典型的なDVのパターンね。
優しく笑う彼との思い出を
思い出すたびに、
深い深いため息がでる。
幸せって
こんな簡単に散っちゃうんだね…。
車通りと、道行く人の多い道を
一人ぼーっとしながら
ただただ目的もないまま歩く。
手を繋いで笑いあいながら
通り過ぎてくカップルに
一層寂しさを煽られる…。
だからだろうか
まっすぐ歩いていくうち、
右手に細いひと気のない道があるのだが、
いつもなら気にもせず通り過ぎていくのに
今日はなんだか、歩いてみたくなった。
躊躇なく曲がり、
またひたすらまっすぐ歩いていく。
大きな建物が、
2m幅くらいのコンクリート道を避けて
背中合わせになって並んでいるからか
太陽の光も
さっきの道とは違い、
ほぼ当たらずジメジメしてる気がする。
そんな中に、
一箇所だけ淡く光る看板が見えた。