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御朱印女と怪談男〜にさつめっ☆〜
第11章 不運女と福徳男(前編)
大卒後、なんとか合格した公務員の仕事で地味にキャリアを重ねて、趣味といえば神社巡りや読書・・・そして官能小説をぼちぼち書いている万年ボッチの喪女のどこが羨ましいのか・・・全くわからない。

「ゆらちゃん、趣味の話とか、なんか好きなこと話す時さ、なんかすっごく楽しそうに話すんだよねー・・・この前も、職場で子供の頃に流行った漫画の話が出た時、ゆらちゃん、男の子のマンガも女の子のも良く知っててさ、なんかさ『あ、この人ってホント好きなことに全力投球なんだな』って思ったんだよね」

「え・・・だって、えっちゃんの方が、お化粧やお料理とか、色々上手だし一生懸命やってるじゃん・・・女子的にはそっちのほうがすごいと思うけど・・・」

「うーん、私のは仕方なくっていうのがどうしてもあるんだよね。化粧も料理も好きだけどさ、必要だからってのが一番大きいの。人から変に見られないようにとか、整って見えるようにとか、そんなことばっか考えて生きてたもん。結婚だって、親が敷いたレールどおりだったしさ。私の人生、私の意思で選んだ部分なんてどこにあるんだろって・・・思う時あるんだよね」

そうなんだ・・・。
私にとっては、何の憂いもなく人生をエンジョイしていると思っていた・・・何もかもが上手くいっている幸せな人と思っていたえっちゃんに、そんな想いがあったなんて。

「でもさ、ゆらちゃんて、そういうの感じさせないんだよね。」
「化粧薄くても全然平気だったり、」
グサっ!
「流行遅れの服も平気で着ちゃってて、」
グサグサっ!
「自分の好きな話題になると猪突猛進で周囲がドン引きしてても話し続けて・・・」
グサアアッ!!

「ス、ストップ・・・ストーップ!!」
私は慌ててえっちゃんの言葉を遮る。それ以上言われたら私は今夜にでも津軽海峡に旅をしに出かけたくなってしまう。やめてくれ。

「あ・・・いや、ごめんごめん・・・でもさ、それが私にとっては超羨ましいのは確かなわけよ」
「いや、絶対、それ、ディスってるよね!?」
「そんなことないよ〜。なんか、自分があるっていうかさ・・・ほら、自分が何が好きで、何が嫌いかって、よく分かってるんじゃない?」

んん・・・まあ、それはそうかもしれない。
よくも悪くも、好きなことは夢中でやっちゃうし・・・。
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