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御朱印女と怪談男〜にさつめっ☆〜
第11章 不運女と福徳男(前編)
どうしよう。
このままダラダラしていたら、電話、切られちゃう、
いや、むしろ切ってあげないと素直さん、帰れないじゃん。
でも、なんか今、私ものすごくサミシイし・・・なんか一日疲れて、クタクタだし・・・
でもでも、素直さん、明日早いだろうし・・・
ああ・・・、どうしたらっ!

いろいろ考えていたら、なんか不意に涙がボロンとこぼれてきてしまった。
慌てて拭うけれども、いったん出だすと、次から次に溢れて止まらなくなってしまう。ついに私はずずっと鼻をすすってしまった。

『ゆらさん?・・・もしかして、泣いてるのか?』
しまったと思った時は後の祭りだった。
「ううん、だ・・・大丈夫・・・」
そんな言葉も、声が涙に濡れているのはバレバレだった。
どうやら彼は電車に乗るのをやめたらしい。背景に、電車のドアが閉まる音、ついで、発車する音が聞こえてきた。

ダメだ・・・私、本当にダメだよ〜

「ご、ごめんなさい・・・私」
『ゆらさん!?・・・ちょい待てますか?・・・もしいやじゃなかったら、住所、教えてもらえますか?』
「え?」
『今から行きます』
「そ・・・そんな・・・」
『ダメっすか?』

そんなの、ダメなわけがない。
来て欲しい、今すぐ来て欲しい。
でも・・・

「だい・・じょうぶ・・・ちょっと声が聞きたくなっちゃっただけだから」
そうだ、彼の家は23区の端っこの方にある。私が住んでいるところまでは1時間ほどかかる距離だ。今から来てもらったりなんかしちゃったら、彼が家に帰るのが大分遅くなってしまう。

『大丈夫じゃない』
電話口でパシンと言われてしまった。
その言葉にハッとする。
『俺も、そういうのあります・・・迷惑かなって思って、いいよ、とか言っちゃうの。もし、今俺が行ったら、ゆらさんが迷惑ってんなら話は違うけど、そうじゃないんなら・・・行かせてください』

『だって、俺、彼氏だよね?』

だなんて・・・。そんな事言われたら、うれしすぎて、また涙が出てきてしまう。
もうちょっと、私、限界だから・・・

「ぎて・・・ぎてぐださい・・・うぅっく・・・ん・・・だって・・・だっで、わだし・・・」
『分かりました!一旦切るんで、住所教えて』
『うん・・・ありがどう・・・』
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