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御朱印女と怪談男〜にさつめっ☆〜
第11章 不運女と福徳男(前編)
ぷつんと通話が切れたとき、私の涙腺がついに大決壊した。
悲しいのか、寂しいのか、嬉しいのか、それともその全部なのか、理由のわからない涙がいっぱい溢れてきて、なんだかわからないまま、わんわん泣きながら自分の家の住所をラインで送った。
私が住所を送るとすぐに、
『今、行くっす』
と返事が来た。
その返事がうれしすぎて、私は、またしても声を上げて泣いてしまっていた。
その後も、お部屋片付けなきゃ、とか、顔ひどいことになってるからせめて洗って、とか、考えたのだけど、やっぱり身体はろくに動かなくて、30分ばかり、私はダイニングテーブルに突っ伏したままでいてしまった。
その間も彼から、今、どこどこです、と何通もラインが来て、だんだん近くに来てくれているのが分かって、やっと私は自分の体を動かすことができるようになった。
せめてもと、机の上はお片付けして、鏡を見ながらクレンジングシートでひどく崩れたお化粧を落とすことくらいはできた。
それが終わった頃、ぴんぽんというエントランスの呼び鈴が彼の到着を教えてくれた。
「いらっしゃい」
おずおずと玄関口に出ると、彼が少しホッとしたような顔をしているように見えた。
「よかった・・・どうしたのかと・・・」
「うん、ごめん・・・ちゃんと話せるかどうかわからないけど・・・」
とにかく入って、と言うと、彼が靴を脱いで入ってきた。
スーツに春用の薄いコートを着ている。手にはビジネスバッグ。明らかに仕事帰りだった。
それなのに、急いで来てくれたんだ・・・。
何の用事かわからないのに、理由も聞かずに、私のために。
それはとても、とても嬉しいことだった。
嬉しすぎて、なんて言っていいかわからないくらいだった。
「え・・・ゆら・・・さん?」
だから私は、もう何も言えなくなってしまって、そのまま彼にぎゅーっと抱きついていた。
それは、2月18日の夜のことだった。
悲しいのか、寂しいのか、嬉しいのか、それともその全部なのか、理由のわからない涙がいっぱい溢れてきて、なんだかわからないまま、わんわん泣きながら自分の家の住所をラインで送った。
私が住所を送るとすぐに、
『今、行くっす』
と返事が来た。
その返事がうれしすぎて、私は、またしても声を上げて泣いてしまっていた。
その後も、お部屋片付けなきゃ、とか、顔ひどいことになってるからせめて洗って、とか、考えたのだけど、やっぱり身体はろくに動かなくて、30分ばかり、私はダイニングテーブルに突っ伏したままでいてしまった。
その間も彼から、今、どこどこです、と何通もラインが来て、だんだん近くに来てくれているのが分かって、やっと私は自分の体を動かすことができるようになった。
せめてもと、机の上はお片付けして、鏡を見ながらクレンジングシートでひどく崩れたお化粧を落とすことくらいはできた。
それが終わった頃、ぴんぽんというエントランスの呼び鈴が彼の到着を教えてくれた。
「いらっしゃい」
おずおずと玄関口に出ると、彼が少しホッとしたような顔をしているように見えた。
「よかった・・・どうしたのかと・・・」
「うん、ごめん・・・ちゃんと話せるかどうかわからないけど・・・」
とにかく入って、と言うと、彼が靴を脱いで入ってきた。
スーツに春用の薄いコートを着ている。手にはビジネスバッグ。明らかに仕事帰りだった。
それなのに、急いで来てくれたんだ・・・。
何の用事かわからないのに、理由も聞かずに、私のために。
それはとても、とても嬉しいことだった。
嬉しすぎて、なんて言っていいかわからないくらいだった。
「え・・・ゆら・・・さん?」
だから私は、もう何も言えなくなってしまって、そのまま彼にぎゅーっと抱きついていた。
それは、2月18日の夜のことだった。

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