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御朱印女と怪談男〜にさつめっ☆〜
第12章 不運女と福徳男(後編)
【不運女と福徳男(後編)】

「ほんとにごめんね・・・」
ダイニングテーブルを挟んで、私は彼と向かい合っていた。

「ん・・・ああ・・・むぐ・・・別に・・・シャク・・・いいよ。・・・んぐ・・・それこそ大丈夫だし」
なんだか彼の口調が変だと思うだろうが、それも当然で、彼は今、私がありあわせで出した夕食を、勢いよくかっこみながら話をしているからであった。

ちなみに、お魚は1人分しかなかったので、本当に即興できるもの・・・

ひじきとなめたけ(これは常備菜)
なめこ汁(あと1人分はあった)
サバ缶とキャベツのピリ辛合わせ焼き
白ご飯
ついでに梅干し
デザートにりんご(ちゃんとくし切りにした)

だった。

彼は相当急いで来てくれたらしくて、実は夕飯をまだ食べていない、と聞いて、慌てて夕食を作ったのだ。

彼は最初、『梅干しとごはんでいい』とか言ったが、彼女として・・・いや、人としてそういうわけにはいかなかった。食料庫をひっくり返し、なんとか見つけたサバ缶で一品作ったというわけだ。

ちぎったキャベツをレンジでチン。
そこにサバ缶をダバーッと入れて、上から醤油、チューブ入りのにんにく、ショウガ、砂糖、お酢を回し入れ、サバの形を崩しすぎないようにざっくり混ぜる。仕上げに食べるラー油を2さじほど入れて、ごま油を一回しする・・・

超ウルトラ簡単メニューである。
それにもかかわらず、ものすごい勢いで食べてくれている。
ごはんなんか、私の2食分は軽くいってるよ・・・。やっぱ男の人ってすごいなあ。

彼に来てもらって、嬉しさが極まった私は、しばらくぎゅーっと抱きついてしまい、ポンポン背中を叩かれて、またひと泣きしてしまった。

で、少し落ち着いて、『一体何があった?』という彼の言葉に、ふと冷静になり、説明に窮してしまったのである。ひとつひとつは別に何があったと言うほどではないことだからだ。

『いや・・・その・・・色々あって、いっぱいいっぱいになっちゃって』

みたいな曖昧な言葉で誤魔化してしまった。一瞬、彼の頭に疑問符が浮かんだような気がしたが、それ以上突っ込まずにいてくれたのは、きっと彼なりの優しさなんだろうな・・・そう思った。
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