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御朱印女と怪談男〜にさつめっ☆〜
第12章 不運女と福徳男(後編)
玄関まで見送ったとき、一回、彼からちゅっと軽くキスをしてもらった。
でも、その温かい唇が離れたら、急に寂しくなってしまって、今度は私の方から背伸びをして、もう一回キスをした。

「じゃあね・・・また、ラインする」

そう言って、手を振った。
今度こそ、ちゃんと我慢しなきゃ・・・だから。

でも、彼はなかなか出ていかない。玄関先で頭を何度か掻いて、『あー』とか『うー』とか言っている。早く出てくれないと、また私、引き止めたくなっちゃうのに・・・。

もう一回、バイバイしよう、そう思った時、彼が私の手をガシって握って、ぐっと引き寄せた。

え・・・っ?

ぽすん、と抱き寄せられ、そのまま彼の大きな体に包みこまれるように抱きしめられる。それがなんだかあったかくて、気持ちよくて・・・最初はガチンと固まった身体が、ふわんと解ける。いけないと分かっていながらも、やっぱりホッとしてしまうのを止められない。

「ああ!もうっ!!・・・ヤメだヤメ!!」
私を抱きしめながら、彼が言う。
「え・・・何・・・?」
意味がわかんない。
「ヤメ!・・・いっくら鈍い俺でも分かるわい!なんかものすごい無理してるってーの。気障だとは思うけど、もっかい言うぞ・・・俺、彼氏だかんね?ゆらさんが、悲しい時、側にいていいの俺だけだからな!」

・・・・

あまりのことに、なんて言われたのか、にわかに分からなかった。なので、間抜けな私は、抱きしめられたまま、少し顔を上げて、『今、なんて?』などと、間抜けな問いを返してしまう。

減るもんじゃなし、もう一度言ってくれてもいいのにと思うのだけど、やっぱり照れがあるのか、彼は『二度も言わせんじゃねえ』とそのままそっぽを向いてしまった。

結局この日、彼は無理矢理うちに泊まっていく・・・そんな話になってしまった。
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