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御朱印女と怪談男〜にさつめっ☆〜
第32章 愛しい気持ちと積み重なる記憶
☆☆☆
前に説明したように、伊勢神宮には内宮・外宮それぞれに別宮というものがある。その数は合わせて14箇所。

ただ、そのうちの5つは『域内別宮』と言って、内宮や外宮の敷地内に祀られているので、参拝のついでに立ち寄ることができる。それ以外の9つは『域外別宮』と呼ばれ、少し離れたところにあるため、わざわざ足を運ばなければならない。

まだ私達が回れていない伊勢の域外別宮は、内宮の別宮である瀧原宮と伊雑宮となっている。

「最初は伊雑宮?」
「んにゃ、その前にせっかくだから神明神社に寄っていこうかと」

神明神社?

聞きなれない名である。そう言えばと思って旅のしおりを見てみたら、なにげにちゃんと今日の予定のところにその名が書いてあった。

「うん、なんかな・・・会社の女の子が、伊勢神宮のバスツアーに両親と行ったらしくて、その時に回ったのが、その『神明神社』なんだと。
なんか女性の願いを叶えるとか言ってたぞ」

女性の願いを叶える神社・・・?

それもあまり聞いたことがない。
仕事運とか、恋愛運とか、そういうのは聞いたことがあるけど、女性の願い、という括りは初めてである。

場所はルートイン伊勢から南に下ること50分ばかり、鳥羽水族館がある鳥羽市に位置していた。

お社から少し離れた駐車場に車を停め、坂道を登ること数分。
たどり着いたのは小さめの神社だった。

道すがら調べたところによると、確かにHPにも『女性の願いをひとつ叶えてくれる』と書かれていた。

御祭神は玉依姫命(たまよりびめのみこと)

「淡路島の4女神のひとり・・・だっけ?」
「うん、由良湊神社の御祭神だった」
「縁がありそうだな〜」

御祭神が玉依姫という女神だからというのもあるが、どうやら女性の願いを叶えるというのは、もっと民間信仰に近い理由があるらしい。

本殿の右手に鳥居が据えられており、その奥に岩がひとつ祀られている。手前にテーブルが用意されており、そこに置かれている紙に願いを書いて、岩の前にあるお賽銭箱ならぬ、願い箱に入れるのだそうだ。この岩が『石神さま』と言われる御神体で、元は地元の漁業者、特に海女さんの守り神だったというわけだ。

それで、女の人の守り神、女性の願いを叶える神となったわけか・・・。
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