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乳牛メイドのホルスタイン あの、かけがえのない日々のこと
第6章 第5話 幸せの時
 お互いの身体が十分満足した所で、坊ちゃまは自宅から持ってきていたものを私の目の前に差し出した。

 裸のままの私は息を呑むと小さな箱に入ったそれを開け、そしてそこから現れたものに目を輝かせた。


「坊ちゃま、これは……」
「そうだよ、結婚指輪だよ。……ホルスタイン、今日ここで、僕の妻になってください」
「……お気持ちは受け取りますが、坊ちゃまは貴族で私は半亜人の従者です。当主様はきっとお許しになりません」
「ホルスタインはそう言うと思ってたし、おじい様も許してくれないだろう。だけど、誰からも認められなくたって僕は君をお嫁さんにする」
「……」

 この時がいつか来てほしいと思っていた。それが現実的に不可能な願いであったとしても。

 坊ちゃまは全て分かっている。私にこれを渡すことがどういう意味を持つのかも。


「大丈夫だよ、正式に結婚していなくたってホルスタインの将来はずっと保障するから。そのことはちゃんとおじい様にも……」
「その話は、今はなさらないでください。……坊ちゃま、本当によろしいのですか?」
「僕の恋人は、僕が身体を重ねる相手はこれまでもこれからもホルスタイン一人だよ。婚姻関係なんかよりもずっと根源的な絆で、僕はホルスタインとつながってるんだ」
「坊ちゃま……」

 私は嬉しさのあまりそのまま坊ちゃまに抱きつき、彼の身体をぎゅっと抱きしめたまま白い布団に倒れ込んだ。

 坊ちゃまも私の身体を両腕で抱きしめてくれて、激しい運動の疲れもあってそれからは2人で眠り込んでしまった。
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