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乳牛メイドのホルスタイン あの、かけがえのない日々のこと
第7章 第6話 愛情の甘い味
「それじゃ、今日も行ってくるね。もし家で何かあったらすぐ電話してね」
「承知いたしました。ご無理のないようにしてくださいませ」
「お2人さんいつも熱いね、素敵な旦那様は俺が友人代表としてエスコートいたしますよっと」

 坊ちゃまを研究所の入口まで送り届けると、私は彼の同僚の男性研究者に付き添いを任せる。

 研究所では私は坊ちゃまの妻として認識されていて、よく軽口を言ってくれる坊ちゃまの男友達に私はいつも心が温かくなるのを感じていた。


 普段はこのまま自宅に戻るけれど、今日は月に1度の面談の日だった。

 私は研究所に併設された病院にメイド服姿のまま入り、その一角にある診察室のドアを時間通りに3回叩いた。

 そこでは坊ちゃまの遠い親戚であるという年配の男性医師が椅子に座って待っていて、彼は坊ちゃまの研究の指導教官の一人でもあった。


「先生、今日もよろしくお願いいたします」
「よく来てくださいました。こちらこそいつも彼の介護をお任せしたきりで申し訳ございません」
「介護だなんて。私は従者ですから、坊ちゃまのお世話をするのは当然のことです」

 私は医師が口にした介護という言葉を直視しないようにして、診察室の椅子に腰掛けた。

 ここは病める人々を治療する病院だけれど、私が今ここに座っているのは私自身の健康の相談をするためではない。

 男性医師は手元にある分厚い診療録に目を通しながら、私にいつも通りの質問を投げかけていく。
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