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乳牛メイドのホルスタイン あの、かけがえのない日々のこと
第7章 第6話 愛情の甘い味
 それから日々は冷酷に過ぎていって、坊ちゃまは27歳になっていた。

 数か月前から坊ちゃまはついに歩行器を使っても歩けなくなって、私は毎日彼を車椅子に載せて研究所まで送迎していた。


 こんな状態になっても坊ちゃまは研究を続けていて、それは坊ちゃまがこの世に生きた証を残そうとしている姿だった。

 自分の死を避けることはできなくても、いずれ誰かの生命を救うための手がかりを見つけたい。

 衰弱していく身体で日夜研究に取り組む坊ちゃまに、同僚や上司をはじめとした研究所の職員たちは親身に寄り添ってくれていた。


 その日も坊ちゃまは自宅に戻ってすぐに1階の布団に横になって、私は坊ちゃまの口元に小さな|匙《さじ》で流動食を運んでいた。


「坊ちゃま、今日は季節の野菜を市場で買ってきました。味付けが薄かったらおっしゃってください」
「うん、美味しいよホルスタイン。……本当に、いつもありがとう」

 坊ちゃまは最近では少し長く言葉を紡いだだけでも疲労が隠せなくなって、私はそんな坊ちゃまの前で絶対に涙を見せないようにする苦しみを味わい続けていた。


 それでも、坊ちゃまと同じ空間にいられるだけで私は幸せだった。

 もはや贅沢なことは何も望まず、今はただ一時でも長く坊ちゃまの隣にいたいと思った。


 坊ちゃまと最後に身体を重ねたのは彼の25歳の誕生日の時で、それを最後に私は坊ちゃまの精液を膣内に受け入れることはなくなっていた。

 今の坊ちゃまは射精をするだけでも疲労で動けなくなる状態で、主治医からも生命に関わるため今後射精はさせないようにと言われていた。
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