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乳牛メイドのホルスタイン あの、かけがえのない日々のこと
第8章 第7話 最期の願い
「坊ちゃま、この丘から見える夕日はいつも綺麗ですね」
「……そう、だね……」

 坊ちゃまは必死で言葉を紡ぐ。

 最期の時まで私と語り合えるようにと、彼は今も言語聴覚士の訪問診療を受けて訓練を続けている。

 神経の機能を次々に喪失しても、それにより全身の筋肉が衰弱しても、聴覚だけは最後まで残る。

 主治医は私にそう言っていた。


「今のうちに、この夕日を目に焼き付けておきましょう。……いつか、私が坊ちゃまと再会した時のために」
「……」

 車椅子には酸素が充填された大缶が括り付けられている。

 その大缶から高流量の酸素を管で吸入していないと、坊ちゃまは既に呼吸もままならない。

 私が介護だけに専念できるようにとの主治医の指示を受けた病院の職員が酸素缶を自宅まで運んでくる度に、私はこれを交換できるのはあと何回だろうと考えてしまっていた。


「私、坊ちゃまのことを永遠に忘れませんから。坊ちゃまを天国に迎えに行けるように、立派に生きてみせます」
「……ほるす、たいん……」
「坊ちゃま……」

 坊ちゃまは辛うじて動く首で私を見上げ、私は彼の口元に耳を寄せた。

 顔を上げただけで坊ちゃまの気道は細くなり、それによる酸素不足で咳き込みながらも坊ちゃまは私に言葉を伝える。
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