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乳牛メイドのホルスタイン あの、かけがえのない日々のこと
第8章 第7話 最期の願い
そして、坊ちゃまは30歳の誕生日を迎えた。
既に経口摂取が不可能になった坊ちゃまは|胃瘻《いろう》で生命を維持していて、私は少しだけ削り取って流動食にした誕生日ケーキを彼の腹部に空いた穴につながる管に流し込み、ケーキの一部を|匙《さじ》に取って坊ちゃまに香りを味わわせた。
もはや坊ちゃまに嗅覚が残っているかは分からないけれど、坊ちゃまは笑顔を浮かべてくれた。
この笑顔に、天使のような坊ちゃまの笑顔に、私は何度救われてきただろうか。
「ほるす、たいん……」
「……」
ついに、その時が来た。
「これまで、ありがとう……」
「坊ちゃま……」
最後の言葉が、坊ちゃまの口から紡がれる。
「さようなら……さようなら……ありさ……」
「っ……」
その時が、来た。
既に経口摂取が不可能になった坊ちゃまは|胃瘻《いろう》で生命を維持していて、私は少しだけ削り取って流動食にした誕生日ケーキを彼の腹部に空いた穴につながる管に流し込み、ケーキの一部を|匙《さじ》に取って坊ちゃまに香りを味わわせた。
もはや坊ちゃまに嗅覚が残っているかは分からないけれど、坊ちゃまは笑顔を浮かべてくれた。
この笑顔に、天使のような坊ちゃまの笑顔に、私は何度救われてきただろうか。
「ほるす、たいん……」
「……」
ついに、その時が来た。
「これまで、ありがとう……」
「坊ちゃま……」
最後の言葉が、坊ちゃまの口から紡がれる。
「さようなら……さようなら……ありさ……」
「っ……」
その時が、来た。

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