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夜来香 〜若叔母と甥、禁忌の果て〜(改訂版)
第2章 距離感
ノックをして返事を待ってドアを開ける。
「陽翔…今日からよろしくね……へぇ…あんがい綺麗にしてるんだね……」
陽翔は壁際の机に向かうように座っていた。
椅子を回転させて振り向くと、照れたように頭をかいて…
「よろしくお願いします…」と呟いた。
結奈の為に用意された、リクライニングチェアが机の脇にある。
「どうしたの?…その立派な椅子……まさか姉さんが買ったの?……」
「違うよ…今、父さんが使わないから書斎から持ってきたんだよ…」
「そっか…」と言いながら結奈はリクライニングチェアにぽふっと座った。
「あ、これ最高だわ…寝ちゃいそうになるね……」
革張りの椅子にお尻が沈むと太腿が露になる。
すかさず陽翔の視線が泳いだ。
【あの日は何回抜いた?…ちゃんと私をおかずにしてくれた?……】
「結奈さん…焼けたね……」
陽翔は透き通るような色白の叔母の肌が好きなのに、勿体ないと思った。
「あぁ…グァムに行ってきたから…お土産のチョコあるから後で食べなよ……」
「う、うん…ありがと……」
意識してくれるのはありがたいが、このままずっとそんな態度を取られ続けるのもやりづらい。
フローリングの床を踏みしめ、椅子のキャスターを転がし陽翔の座る椅子にぶつけた。
「な、なにするの?…」
陽翔は驚いたようにこっちを見た。
たじろいだ陽翔を椅子ごと引き寄せると、膝が私の膝の間に食い込む。
椅子に座っているのだからさほど深くはない。
それでも陽翔は顔を赤くしていく。
咄嗟に椅子を引こうとしても離してやらない。
囁くように続けた。
「なにじゃない……まったくずっとそんな態度でいるつもり?…やりにくいんだけど……」
「そんな態度って……」
陽翔は戸惑うばかりで煮え切らない。
「ちっちゃい頃はあんなにくっついて回っていたくせに……陽翔は私がカテキョするの嫌なわけ?…だったら、姉さんに言って辞めさせてもらうけど……」
これは効いたらしい…。
「嫌じゃないっ…嫌なわけないから…」
ようやくちゃんと見てくれた。
結奈は…ふんっ…と鼻を鳴らして……
「だったらキョドらない……いい?……約束だよ……」
陽翔の小指を小指で絡めていくと、逃げようとするからきゅっと離さない。

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