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夜来香 〜若叔母と甥、禁忌の果て〜(改訂版)
第2章 距離感

1日が長い…。

叔母の家庭教師の日を待ち焦がれている。
それでも今より成績を上げなければならない。
じゃなきゃ、叔母の評価が下がってしまう。

陽翔はこれまで以上に学校の授業に集中した。
放課後は美術室で部活だった。
秋には文化祭で作品展示があると言われていた。
今はスケッチを溜め込み、作品のテーマを模索してる段階だった。
決して運動は苦手ではない。
幼馴染みからも昔から一緒にサッカーやろうと未だに誘われている。
それでも僕は絵を描く時間が好きだった。
中学の時は県のコンクールで入選したこともある。 その実績のせいか三年の部長からも目をかけてもらっている。

【だめだ…今日は集中できないや…】

陽翔は左肘を撫でると、画材を片付け出した。
一週間ぶりに叔母に会えると口許が綻んでいた。

「今日はもう終わりですか?……」

声をかけてきたのは部長の森宮先輩だった。
この人も綺麗な女(ひと)だ…。
叔母ほど華やかさはないが、佇まいというか雰囲気かどことなく似ている。
だから、この人『も』なのだ。

「はい、今日は家庭教師の日なのでお先に失礼します…」

「そうなんですね…もうすぐ中間テストですし頑張ってください…」

なぜか部長は一年の僕にも敬語だった。
口調もぜんぜん違うのに何故似てるって思うんだろう。
陽翔は深く考えることもなく頭を下げて立ち去ると、昇降口から駆け出していた。

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