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夜来香 〜若叔母と甥、禁忌の果て〜(改訂版)
第1章 予感
今でもはっきりと憶えている。
「ボクね…結奈ちゃんが大好き…ママに将来結婚してって言ったらダメって言われたから、結奈ちゃんがボクのお嫁さんになってね…」
結奈は吹き出した。
【ママの代わりかよ……】
「あぁ…いいよ……陽翔が大人になっても私のことが好きだったら結婚してやるよ……」
そう…結奈はこんな蓮っ葉な言葉遣いをしていた。 それは今もさほど変わっていない。
もちろん、相手と場所を選べるほどには大人になっていた。
そんなことを思い出したのは、姉の急な呼び出しを受けたからだけではない。
陽翔が高校生になってからの初めての来訪となったからだ。
結奈が社会人になって独り暮らしを始めてからは、姉も実家に立ち寄る回数が減っていた。
結奈は姉のことは嫌いではない。
寧ろ、あのおっとりとした誰にでも分け隔てない性格は好ましいと思っている。
だから、お願い事をされる度に呼び出されるのもさほど億劫ではなかった。
陽翔は小学生まで本当に可愛い甥っ子だった。
それが当たり前のように小学高学年になると徐々に纏わりつくような距離を離していった。
叔母としては喜ばしい成長なのだろうが、結奈にとっては少し違っていた。
【あんなにべたべたしていたくせに……】
それが本音だった。
結奈の男性遍歴は割と派手だった。
高校生の時に場の勢いとノリで二つ先輩と初体験。 その後も同級生に土下座までされたり、出入りしていたクラブでナンパしてきた大学生や…大学に入ったら入ったでサークルの男達…飲みの席で知り合ったサラリーマン、果ては大学の准教授と教授…。
でも一番興奮したのは家庭教師のバイト先の高校生だった。
それから彼氏という存在も幾人かいた。
プロポーズされたこともあった。
だが、自分が家族を持って妻となり母になるのはどうもピンと来なかった。
因みに結奈は大学を卒業後、全国的に名の通った会社に就職、順調にキャリアを積んだがまだまだ男社会に限界を感じ退職したばかりだった。
預金通帳の額を見れば然程急いで再就職を探す必要もない。
それはさておき…。
だから、よそよそしくなっていく陽翔は正直唆った。
最初は恥ずかしいから距離を取り出していたのだろう。
でも遠巻きに刺さるような視線は、結奈をどんどん興奮させていった。

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