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夜来香 〜若叔母と甥、禁忌の果て〜(改訂版)
第25章 クリスマス・イブ 〜慟哭〜
陽翔は、父からのプレゼントを自室に置くとすぐに家を出た。
バス停に到着するとらタイミングよく来たバスに乗り込み、栞との待ち合わせの駅へと向かう。
自分と入れ代わるように、健人が陽翔の家を訪れることなど知る由もなかった。
栞には事前に相談していた。
流石にクリスマス・イブにデートをするのだ。
手ぶらでというわけにはいかないと思った。
とはいえ、お嬢様の栞に何を渡していいのかもわからない。
相談する者もいない。
陽翔はストレートに本人に聞いてみた。
LINEでの質問に栞からの返事はこうだった。
〘陽翔くんとデートできるだけでもうれしいんですよ…何もいらないです〙
はい、そうですかというわけにはいかないと食い下がってみた。
〘そうですか…では、当日映画の前に二人でお買い物しましょう。予算は3000円、ショッピングモールをぶらぶらしながら決めましょ〙
【遠足のおやつじゃないんだけど…】
陽翔はそう思いながらも、助かったと思った。
お任せなんて言われたら、完全に途法に暮れるところだと思っていたから…。
バスは駅止まりで乗客全員が降りていく。
陽翔は降りてすぐにロータリーを見渡した。
ニットワンピースにブルゾン姿の先輩を見つけると、駆け出していった。
「おまたせしました…」
「こんにちは…ここは学校じゃないよ……」
「あ、そうだった…待たせたかなって思って…」
口調を二人きりのバージョンに切り換えると、先輩は肘に腕を絡めてきた。
「え、あの…誰かに見られてもいいの?…」
ドギマギしながら言うと先輩が顔を近づけ囁くように言う。
「私は構わないよ…もうすぐ卒業だから…陽翔くんは噂になったら困るのかな?……」
悪戯に微笑む先輩に強がるように答えた。
「平気だよ…みんなが憧れてる栞は僕の彼女だって言ってやるから…」
そんなの本気じゃないってわかってる。
でも栞は俯きながら、陽翔にも聞こえないように呟いた。
「うれしい……」
そして顔を上げて、陽翔を引っ張るように歩き出す。
「またぁ…絶対見間違えだとか言うんでしょ……」
【先輩だって、ほんとは困るくせに…】
「そんなことないって…」
ムキになって否定しながら、二人は腕を組んだまま、ショッピングモールへと向かっていった。

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