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夜来香 〜若叔母と甥、禁忌の果て〜(改訂版)
第26章 クリスマス・イブ 〜狂喜〜
「なんでっ…なんで…居ないんだよっ……助けて…助けてよ…結奈さんっ……うわぁぁっ…」
陽翔が結奈のマンションのエントランスで絶望に打ちひしがれている頃、結奈は小野とラブホの一室で逝き狂っていた。
そんな事を陽翔が知る由もない。
ただただ、今だけは結奈に逢いたかった。
何度押してもインターフォンに反応はなかった。
暫く泣き崩れていたが、陽翔はようやく立ち上がり、とぼとぼとマンションから出ていく。
道路に出て、振り返り見上げるのは結奈の部屋。
やはり灯りはついていないと、歩き出した。
とても家になど帰れなかった。
栞と過ごす予定で、お金は幾らか持っていた。
目を腫らしたまま、なんとなく駅へと向かう。
クリスマス・イブの夜…街はいつも以上に華やいでいるのに、陽翔はずっと俯いたまま歩き続けた。
頼りたかった叔母は何処で何をしているのかも分からない。
今の栞に甘えることはできないし、しようとも思わない。
なんとなく顔を上げると、インターネットカフェの看板が目に入った。
受付を済ませ、指定された個室へと入っていく。
「死ね、死ね、死ね、死ね、死ね…」
ブツブツと繰り返していた。
母親と親友と思っていたクラスメイトの裏切り。
しかも母親は健人相手に中出しを懇願していた。
「おえっ…」
陽翔は思い出して吐き気を催した。
それは陽翔にとって絶対に犯してはいけない行為だ。
叔母、結奈の教えなのだから。
だからあの二人のことは絶対に許せない。
陽翔は部屋を出て、トイレに向かった。
手洗いのところで顔を何度も洗っていく。
濡れた顔を上げると、自分が鏡に映っていた。
【酷いな…】
少し、ほんの少しだけ冷静さを取り戻した。
父親に報告するか?
そうすればどうなるかなどと容易に想像できた。
【あんなババァの為に俺の人生棒に振ってたまるか…】
そう思っても、どうすればいいかなんて分からない。
「くそっ…」
部屋に戻ってリクライニングチェアの背もたれに身を沈める。
「くそっ…」
考えても考えても答えなんて出やしない。
それでも、精神的ショックは陽翔を疲弊させていた。
いつの間にか、頬から伝う涙の跡を残したまま、深い眠りに落ちていた。

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