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路地裏文化研究会
第5章 おじさんたちとの出会い
笑い声が重なります。中村さんと電話したときに『お酒は何でも好き』と答えてしまっていたことを思い出しました。聞いていた中村さんが、おじさんたちのあけすけな物言いに苦笑いしながら、わたしの空きかけたコップにビールを注ぎ足しました。
「いいね、清楚で知的ななお嬢さんだ。成績優秀なんだろうね? 女子大でもコンパとかあるんでしょ? つまらん男にひっかかっちゃダメだからね?」
「文学部なんだってね? じゃあ、大学の図書館なんかよく行くでしょ? いいよねぇ、あれはレンガ造りで風情があるよね。図書館をバックに一枚撮りたいなぁ」
「古い建物が若さと美しさを一層引き立てるだろうね。ちょうどボクたちみたいなものじゃないか。ありがたいことだ。末永くよろしくお願いしたいね」
皆さん、口々に、わたしを覗き込みながら話しかけてきます。
「い、いえ…そんなことは」
自分でも、何に対して否定しているのかわからないまま、そう答えていました。中村さんに聞いていたところでは、皆さん、中村さんより年上で、サラリーマンと写真屋さんと先生…だった方。どなたがどなたか、口調と雰囲気から何となく察しがつくような、つかないような…。
「ちょっと、中村君、ボクたちのこと、まだ紹介してもらってないんだけどな」
中村さんの隣に座っていたおじさんが言いました。
「まったく、こういうときに急に先輩面するんだからなぁ。じゃあ、紹介しますから、山田さんはお嬢さんにおでんを取ってくださいよ」
「ああ、失敬失敬。呑ませるばかりじゃいけないわね」
『山田さん』が器に鍋からおでんを三品ほど取ってくれました。器がわたしの前に置かれると、中村さんが皆さんを紹介してくれました。
「じゃ、食べながらでいいんで、紹介しますね。この人が山田さん。サラリーマン上がり。ここの近所にお住まいでボクの学校の先輩。いつの間にか料理の腕前を磨いて、今日はおでんを仕込んでくれました」
「今日のおでんは気合を入れて仕込んだよ。ご賞味あれ」
山田さんが頭を下げます。
「隣が吉川さん。商店街に吉川写真館っていうのがあるんだけど、お店はもう息子さんが跡を継いでる。見るものをグッとさせるマニア好みのいい写真を撮るんだよねぇ」
「マニアって言うなよ。玄人好みと言ってくれよな」
同じように吉川さんも頭を下げました。
「いいね、清楚で知的ななお嬢さんだ。成績優秀なんだろうね? 女子大でもコンパとかあるんでしょ? つまらん男にひっかかっちゃダメだからね?」
「文学部なんだってね? じゃあ、大学の図書館なんかよく行くでしょ? いいよねぇ、あれはレンガ造りで風情があるよね。図書館をバックに一枚撮りたいなぁ」
「古い建物が若さと美しさを一層引き立てるだろうね。ちょうどボクたちみたいなものじゃないか。ありがたいことだ。末永くよろしくお願いしたいね」
皆さん、口々に、わたしを覗き込みながら話しかけてきます。
「い、いえ…そんなことは」
自分でも、何に対して否定しているのかわからないまま、そう答えていました。中村さんに聞いていたところでは、皆さん、中村さんより年上で、サラリーマンと写真屋さんと先生…だった方。どなたがどなたか、口調と雰囲気から何となく察しがつくような、つかないような…。
「ちょっと、中村君、ボクたちのこと、まだ紹介してもらってないんだけどな」
中村さんの隣に座っていたおじさんが言いました。
「まったく、こういうときに急に先輩面するんだからなぁ。じゃあ、紹介しますから、山田さんはお嬢さんにおでんを取ってくださいよ」
「ああ、失敬失敬。呑ませるばかりじゃいけないわね」
『山田さん』が器に鍋からおでんを三品ほど取ってくれました。器がわたしの前に置かれると、中村さんが皆さんを紹介してくれました。
「じゃ、食べながらでいいんで、紹介しますね。この人が山田さん。サラリーマン上がり。ここの近所にお住まいでボクの学校の先輩。いつの間にか料理の腕前を磨いて、今日はおでんを仕込んでくれました」
「今日のおでんは気合を入れて仕込んだよ。ご賞味あれ」
山田さんが頭を下げます。
「隣が吉川さん。商店街に吉川写真館っていうのがあるんだけど、お店はもう息子さんが跡を継いでる。見るものをグッとさせるマニア好みのいい写真を撮るんだよねぇ」
「マニアって言うなよ。玄人好みと言ってくれよな」
同じように吉川さんも頭を下げました。

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