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路地裏文化研究会
第5章 おじさんたちとの出会い
 「で、こちらが村井さんで元は学校の先生。文系全般なんでも教えてたんだよね。今は嘱託で週に何日か教えてるんだっけね。現役時代は謹厳実直、現役を退いても謹厳実直。タウン〇〇の紹介文を書いた人」
 「言うほど固くはないから怖がらないでくださいね」

 村井さんも頭を下げました。

 「最後に、不肖中村、文華堂書店を営んでもう何年になりますか…。会員諸氏にはいつも書籍をお買い上げ賜っておりまして有難く思っております。どうぞよろしくお願いいたします」

 皆さんが揃って今度は深々と頭を下げました。まるで女神様に首を垂れるみたい…って、ちょっとだけ思ってしまいました。

 「あ、そんな、どうぞ、こちらこそよろしくお願いいたします」

 わたしも慌てて頭を下げます。皆さんも文華堂書店で本をお買い求めなのですね。もしかしてわたしみたいに官能小説や成人漫画を…?。いえ、そんなことないですよね…。そんな本がお好きとは見えないですし…。でも、それはわたしも同じこと…。緊張がほぐれていくような、高まっていくような、奇妙な心持ちで、わたしは器のゆで卵をお箸で摘まみました。

 取り落とさないように慎重に口に運びました。小さくかじるとぷりぷりした白身がはじけて黄身にたどりつきます。白身と黄身を味わいながら、お出汁もいただきます。コクがある…と言うのでしょうか、からだの隅々にまで行き渡っていくような深い味わいがしました。

 「おでん、美味しいですね」
 「そうでしょう? ボクはゆで卵が好きでね。白かった卵がいい色に仕上がっていくのが何とも言えなくてね。おでんにはいろんなタネがあるけど、中でも仕込み甲斐があるって言うのかな。いちばんに選んでくれてうれしいよ」

 ゆで卵はわたしも好きなタネですけど、はじめに選んだのは偶然のことでした。でも、山田さんが喜んでくれていて、わたしもうれしくなりました。

 「まだまだいっぱいあるからね」
 「ありがとうございます。では、お言葉に甘えて…」

 わたしはゆで卵をもう一つ摘まみました。
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