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夜空に煌めくアラベスク
第9章 いて座の女

「好きです、付き合って下さい」

そんな風にいきなり告白されたものだから驚いて彼の方を見た。

「私、職場では23歳って誤魔化しているけれど、本当は26歳なの。少しでも若く見られたいからサバを読んでるから、あなたより5歳も歳上なのよ。
それにね結婚もしているし…」

ほら、見える?と美登里は左手の薬指を彼の前にかざした。

「ええ、そんなの関係ないです」

チラッと左手の薬指に光っている指輪を確認したけれど、彼は動じない。

「それにほら、私、子供もいるのよ」

「それも知っています」

どうやら彼は美登里の事が好きで、スーパーの従業員たちに根掘り葉掘り美登里の事を聞き回っていたらしい。

『1回ぐらいイイかな…』

酔っていたせいもあり、こんな風に真っ正面から告白されたのも初めてだったので、美登里はドキドキしてしまってOKしてしまった。

OKしてしまったのは、彼には夫のない雰囲気があったし、それにちょっと理想のタイプというか、美登里も彼に対して好意を抱いていたのかもしれない。

「でも、ここでこうしてお話をしているのもデートって言えなくもないわよね」

あくまでも美登里は人妻であり、一児の母でもあるので、学生時代のように時間を作って遊び呆けるつもりはなかった。

一番心配してたのが話が合うかって事だったのだが、彼がわりとしっかり屋さんみたいで、結構話も合って気に入ってしまった。
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