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夜空に煌めくアラベスク
第12章 うお座の女

彼は素直に佐代子に従って二階に上がってきた。

「こんなおばさんが君を独り占めにしちゃファンの子に叱られそうね」

「僕にはファンなんていませんよ
女の子たちはボーカルのイケメン狙いなんだから」

「あら?そんなことないわよ。君だってなかなか可愛い顔をしていると思うけど?」

「やっぱり客商売ですね、お世辞がお上手だ」

そんなことを言いながら、彼はサイドボードに置いてあるオセロ盤を興味深そうにみつめている。

「勝負しない?オセロ…知っているんでしょ?」

「いいですよ。勝ったら何か褒美を頂けます?」

「そうねえ…じゃあ、あなたが勝ったら私を自由にしていいわよ」

「そういうの好きじゃないんで」

あまりモテなさそうな彼に拒絶されると、女としての自信を失くしてしまう…

「あら…けっこう私、イケてると思うんだけど…」

「それは確かに…でも、僕、今は金欠なんで飯を食わせてもらう方が嬉しいかな」

「わかったわ…明日から一週間、お弁当を作ってあげる」

「本当に?」

「ええ、その代わり、私が勝ったら、君を食べさせてもらうから」

「結局、そっちに話を持っていくんですね
いいですよ。負けませんから」

そうして二人の熱い勝負が始まった。

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