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夜空に煌めくアラベスク
第7章 天秤座の女
その夜の飲み会はくだらない話題で男たちは盛り上がっていた。
なるほど…こんなくだらない飲み会なら家庭サービスを優先させるわねと、荒木史子は末席にて一人でちびちびとお酒を飲んで退屈そうに生欠伸を繰り返した。
やや話題が途切れた瞬間を見逃さずに
「私、用事を思いだしたので、お先に失礼します」と会費を副部長に握らせると、ちょっと待てよ!という副部長の言葉に耳を貸さずに逃げるように飲み屋を後にした。
彼女の後を追うように木ノ下課長が追いかけてくる。
「何ですか?呼び戻してこいって副部長に命じられましたか?」
「いや、その逆…
僕もつまらない飲み会だから逃げ出してきたんですよ」
そう言って課長の木ノ下敦は荒木史子と肩を並べて歩き始めた。
「飲み足らないんじゃない?」
何も話さずに肩を並べて歩くのも不自然だとばかりに、何か適当な話題を探りたくて彼から口を開いた。
「ええ、飲み足りませんわ
もしかして私を誘ってくれてる?
そんなわけないか…こんなお局(つぼね)と飲んでも楽しくないですものね」
「いや、そんなことないよ。それに自分の事をお局(つぼね)だなんて言うのはやめませんか?」
「だって、みんな私の事をそう言っているんでしょ?
私ね、地獄耳なんです。みんなが私の事をそう呼んでるのは知ってますから」
「みんな?その中に僕も入ってるのかな?だとしたら大間違いだよ。僕は君をそんなふうに思っていないから」
そう言って木ノ下課長は史子を見つめた。

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