この作品は18歳未満閲覧禁止です

- 小
- 中
- 大
- テキストサイズ
Sturm und Drang-疾風怒濤-霞んだ空の向こう側
第4章 心美
それでも、リーダー格というか、郁美が理解し、里奈も頷く様子だし、朋華も、大きく頷いていた。男子でも慶克は理解できている様子だった。
「ま、そういうものなのか・・・」
智輝が自説を引っ込めると、微妙な空気が流れた。郁美も里奈も朋華も、恵樹に何かと助けてもらったこともあったから、理解しやすかったということもあるかもしれない。恵樹の言葉で、徐々に反心美連合という感じだった寄せあい所帯の悪グループの結束が壊れた。特に、郁美も里奈も、勝手に心美が抜け駆けしたと思い込んでいただけで、そうではなかったとわかった時点で、心美に対する悪感情は霧散してしまっていた。
残された感情は、男たちの『やりたい』という感情というか、願望。
しかし、転校した心美にどうやって接触するのか?心美の住むマンションに押し掛けても、女子の協力がなければ無理。
そんな状況の中、校門に向かって歩いてくる男の姿が。
横浪詮泰。担任が自分のクラスの生徒たちが駄弁っているところに現れた。
「おい。何をしている。さっさと帰らんか!」
声を掛けた。
「先生。富岡が転校したと聞いたのですが」
竜馬が横浪に訊いた。
「そうだ。知っていたのか?」
自分からは一言もそのことについて触れていないだけに、軽く驚く横浪。
「今しがた、そういう情報が入ったので」
そう、匡彦が小学校の日比野教頭から聞いたのだが、それは伏せて、そういう言い方をした。
「なかなかいい情報網を持っているようだな。理由も知っているのか?」
横浪が訊いた。
「それがわからないのですが、先生は、知っているのですか?」
竜馬が訊き返した。
「それは当然、知っている。転勤だ」
横浪が淡々と答えたが、竜馬も駿介、郁美、里奈・・・。その他も怪訝な顔だった。それは、心美の親は揃って医師で、外科医と内科医だったはず・・・。転勤?確か、公立病院。国立病院なら転勤はあるが、確か、市立病院のはず・・・。転勤なんてあるのか?
心美の親に関する情報を持っている生徒ほど、怪訝さが増した。
「というのは建前で、ある意味、退学だ。知っての通り、不登校が長くて、卒業に必要な出席日数に達しない。だから、公立中学で卒業ということになった」
横浪が説明したが、嘘だと気が付いたのは朋華。内部進学ならともかく、受験して他校に行く出席日数はクリアできているはず。
「ま、そういうものなのか・・・」
智輝が自説を引っ込めると、微妙な空気が流れた。郁美も里奈も朋華も、恵樹に何かと助けてもらったこともあったから、理解しやすかったということもあるかもしれない。恵樹の言葉で、徐々に反心美連合という感じだった寄せあい所帯の悪グループの結束が壊れた。特に、郁美も里奈も、勝手に心美が抜け駆けしたと思い込んでいただけで、そうではなかったとわかった時点で、心美に対する悪感情は霧散してしまっていた。
残された感情は、男たちの『やりたい』という感情というか、願望。
しかし、転校した心美にどうやって接触するのか?心美の住むマンションに押し掛けても、女子の協力がなければ無理。
そんな状況の中、校門に向かって歩いてくる男の姿が。
横浪詮泰。担任が自分のクラスの生徒たちが駄弁っているところに現れた。
「おい。何をしている。さっさと帰らんか!」
声を掛けた。
「先生。富岡が転校したと聞いたのですが」
竜馬が横浪に訊いた。
「そうだ。知っていたのか?」
自分からは一言もそのことについて触れていないだけに、軽く驚く横浪。
「今しがた、そういう情報が入ったので」
そう、匡彦が小学校の日比野教頭から聞いたのだが、それは伏せて、そういう言い方をした。
「なかなかいい情報網を持っているようだな。理由も知っているのか?」
横浪が訊いた。
「それがわからないのですが、先生は、知っているのですか?」
竜馬が訊き返した。
「それは当然、知っている。転勤だ」
横浪が淡々と答えたが、竜馬も駿介、郁美、里奈・・・。その他も怪訝な顔だった。それは、心美の親は揃って医師で、外科医と内科医だったはず・・・。転勤?確か、公立病院。国立病院なら転勤はあるが、確か、市立病院のはず・・・。転勤なんてあるのか?
心美の親に関する情報を持っている生徒ほど、怪訝さが増した。
「というのは建前で、ある意味、退学だ。知っての通り、不登校が長くて、卒業に必要な出席日数に達しない。だから、公立中学で卒業ということになった」
横浪が説明したが、嘘だと気が付いたのは朋華。内部進学ならともかく、受験して他校に行く出席日数はクリアできているはず。

作品検索
しおりをはさむ
姉妹サイトリンク 開く


