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Sturm und Drang-疾風怒濤-霞んだ空の向こう側
第5章 朋華
ベンチに座って思い出に浸る朋華。

頭上には紅梅が咲き、桜の蕾も膨らみ始め、春の訪れを感じさせる陽光が降り注いでいた。

でも、心は晴れない朋華。

小学校のとき、匡彦が、あんなことをしなければ、そう、恵樹を殴って、わたしに責任を擦り付けて、不仲にさせようとしなければ、もっと楽しい小学校、中学校生活が送れたのかもしれない。

あのあとの気まずさ。わたしも肘が当たったのかもしれないと思って恵樹に謝ったけど、恵樹くんのお父さんが、肘が当たったという程度の衝撃ではないと言って・・・拗れた。

今になってみれば、見ていた香菜が教えてくれたみたいに、匡彦が力任せに殴ったのだから、その衝撃は桁違いだったとわかるけど・・・。

香菜もあの時に教えてくれればよかったのに、教えてくれたのは後日。小学校の卒業のとき。

松宮校長や日比野教頭から口止めされたとはいえ、もっと、早く知りたかった。わかっていれば、違う展開もあったのに・・・。

今更ながらに、小学校時代、中学校時代、良いことはなかった。

何が悪かった?嘘が罷り通るあの空気。先生が言うことは嘘ばかり。同級生はガセネタを吹聴して、困らせたり、困ったりしているのを見て喜ぶような人が多かった。

事件があれば、隠蔽。今回だって、心美のイジメだって、退学というか転校させて解決。

そういえば、恵樹が言っていた。

「先生たちはね、イジメを無くすには、イジメられている子がいなくなれば良いって考え方だから、クソなんだよ」

確かにそう。優秀で嫉まれた児童、生徒が次々に退学し、残ったのは、あのメンツ。学力優秀で、いろいろなコンテストで賞を獲って、学校の名前を有名にした井藤さんでさえ、嫉まれて、できの悪い子供の保護者やあの連中にイジメられて、学校は退学させたみたいだし。

『良貨は悪貨を駆逐する』

なんて、嘘よね。悪貨は良貨を駆逐するのよ。少なくとも、学校では。

それに、資本主義と民主主義の縮図。

イジメって多数対一人。学校は、授業料の多寡などの人数で決める。ワルが多ければ、ワルを守る。そもそも、妬みなんて、一人対多数。目立たないことが一番だと、学ばしてもらった。それが唯一の小学校、中学校生活の成果かもしれない・・・。

朋華はベンチから校舎を見ながら、

「地震でも来て、全部、壊れないかな」

と、呟いた。
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