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Sturm und Drang-疾風怒濤-霞んだ空の向こう側
第5章 朋華
見える校舎の窓。あの窓から見ていた私。

そのとき、窓が開いた。今の時期、花粉が飛ぶ。だから締め切っているはずの窓。開けたのは顔見知りの後輩。

ここからでも誰かわかる。

ということは・・・。私の存在に、二人は気が付いていたかもしれない・・・。そんな素振りはなかったけど・・・。

見られているとわかって、ここに二人で座って談笑していたのだとしたら・・・。私に見せつけていた・・・。

恵樹くんの視力は、0.6くらいだけど、心美は視力は1.2。私は1.0。私に見えるということは、心美も見える。でも、恵樹くんは見えないかもしれない。

私に見せたいから、ここで話をしていた?

公園はここだけではない。この先にももう一か所、公園があるし、その先にも大きな公園がある。

でも、二人はいつもこの公園だった。

心美・・・。やはり嫌な女かもしれない・・・。みんなが嫌うのには訳があるのかも・・・。

そんな気分になってしまった朋華。

実際、あの頃、心美と恵樹がここで話している姿を見ると、苦しかった。何を話しているのかは聞こえないけど、いつもは陰キャな心美が満面の笑みを浮かべていた。如何にも楽しそうという雰囲気は伝わってきた。

学校では三人で話すのに、公園では二人。自分だけ取り残されたような、除外されたような、喪失感があったのを朋華は憶えている。

私があの窓から見ているのを知ったうえで、心美は、満面の笑みを浮かべていたのだとしたら・・・。

朋華はギュッと手を握りしめて、拳を額に押し付けて、

「そんなはずはないわ。心美はそんな子じゃない。それに、恵樹くんが・・・」

と、自分に言い聞かせた。
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