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Sturm und Drang-疾風怒濤-霞んだ空の向こう側
第6章 引越
心美を追い出せという、竜馬の母親や郁美や里奈の母親の要求を受け入れ、必死になって追い出しを謀った教員一同。結果は、不登校どまり。しかも、引き離したかった恵樹が、宿題の範囲や授業ノートを見せるために心美の家に通ってしまうという事態に。

「何をしているの!」

大激怒の母親たち。とはいえ、宿題の範囲を教えたり、授業ノートを見せたりすることに、学校、教員として、批判することは難しい。

四苦八苦している先生方を見て、母親たちが考え出した理屈は、

「不純異性交遊」

というお題目。

「稲葉くんが富岡さんの家に通っているのは事実。宿題の範囲を伝えたり、授業ノートを見せるということを口実に、性的な関係を持っているのではないのですか?普通に考えて、親のいない家に異性を招き上げるなんてあっていいことではありません。中学三年生ですよ。性的な関心も高まる時期です。当然、性的な関係があるはずです。これは看過できません。他の生徒への影響も考えてください!」

竜馬の母親が捩じ込むと、日比野教頭が、

「さっそくに、そのように致します」

と、その提案を受け入れ、心美の親に、この話をしたところ、。

「娘は部屋に招き入れていません。マンションの共用の応接スペースで話していただけです。私たちが住むマンションにはコンシェルジュがおり、コンシェルジュが見守るなかで会話をしています。そんな不純異性交遊などという主張は下衆の勘繰り以外の何物でもありません」

と、当然、激しい反駁があった。とはいえ、心美の親も、娘に対する今までのイジメや、誹謗中傷への学校の対応には不満があった。そのうえ、この学校の動き。呆れるとともに、他校への受験を考えた。

当然、同じような注意を恵樹にもした校長、教頭。恵樹の親から反駁はなく、淡々と、

「他校の入試を受けるので、内申書を要求する」

と、返答があり、外部受験が決まった。ただ、それが外部受験を考えていた家庭に与えた影響は大きかった。次々に外部受験を表明する生徒が増え、心美の家庭は、学校側から提示された内申書が信用できないとの判断から、一度、退学して、公立中学校に短期間の通学をすることにして、自宅マンションが学校に近いことから引っ越していった。
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