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Sturm und Drang-疾風怒濤-霞んだ空の向こう側
第7章 疼き
横に座る恵樹をチラッと見た朋華。前を見ている横顔が見えた。あの唇が梨々香の唇と重なって。先ほどの情景を思い出した朋華。朋華の視線に気が付いた恵樹が朋華を見た。視線が交差した。朋華は目を伏せた。なぜって・・・。どんな顔をして視線を交わしたらいいのかわからなかったから。梨々香と抱き合いながらキスをしていた恵樹。何も知らないような顔で視線を交わして、話すなんてできなかった朋華。

ダメ・・・。梨々香を睨んだうえ、恵樹の視線を避けてしまったら、あの場にいたことがバレてしまう・・・。

「どうしたの?」

恵樹が朋華を心配して声を掛けた。声を掛けられた朋華は言葉に迷った。なんて答えればいい・・・。

「なにもない」

やっと、それだけが口から言語として漏れた。大丈夫という意味で恵樹は受け取った。そういう意味で言ったつもりだった朋華。でも、思った。なにもない・・・。そう、恵樹は梨々香のもの。わたしには何も残っていない。ずっと、好きだった。でも、あなたは、梨々香と・・・。梨々香との間に割り込んで、仲良くなって、話して、笑ってくれる顔を見て、一人、悦に浸っていた・・・。でも、その陰で、あなたは、梨々香と・・・。

視線をあげて、恵樹を見た朋華。恵樹の姿がぼやけた。鼻をすすった。気が付いたら泣いていた朋華。慌てた恵樹が、

「大丈夫?」

と、訊きながら、ハンカチを渡してくれた。

「持ってる」

朋華はポケットからハンカチを出して、目頭に充てた。ホームルームが始まった。恵樹が心配そうに朋華を見ていた。朋華はそんな恵樹を見ることができなかった。でも、朋華は思った。先ほどもそうだったけど、恵樹は梨々香を受け入れていた。小学校の低学年の頃から梨々香がハグをすると、ハグを返す恵樹。先ほども梨々香がキスをして、それを受け入れているように見えた。

梨々香・・・。

そう、わたしが梨々香に負けているのは、その積極性。わたしは恵樹くんと話すだけで満足していた。梨々香みたいに抱き寄せたり、キスしたり、そんな勇気はなかった。

でも、わたしに、梨々香の真似はできない・・・。それに、恵樹くんが受け入れてくれるとは限らない・・・。

椅子に深く座って膝の上に握り拳を置いている恵樹。その握り拳に勇気を振り絞って朋華は手を伸ばして、手のひらを握り拳に乗せた。
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