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Sturm und Drang-疾風怒濤-霞んだ空の向こう側
第7章 疼き
その接触に驚いたのか、恵樹が朋華の顔を覗いた。朋華が首を軽く振って
「黙っていて」
という意味を伝えた。恵樹が怪訝な顔になったが、無言で軽く頷いた。恵樹の握り拳に重ねた手のひらを丸めて、握りしめた朋華。教卓では担任の横浪が卒業式に関して、説明していた。声は決して大きくない横浪。でも、生徒の耳はその声を聞いていた。
それを見て、朋華は周囲に聞こえないように、恵樹に、
「終わったら、話したいことがあるの」
と、だけ伝えて、恵樹の握り拳に重ねていた手のひらに力を込めた。頷いた恵樹。それを確認すると、手を自分の膝の上に戻した朋華。
廊下側の端の席から二人の様子に視線を送る梨々香と、朋華の視線が交錯した。敢えて視線を合わせた朋華。
梨々香は思った。やはり・・・。教室に戻ってきたときも、そして、今も、朋華は自分を意識している。図工準備室の裏側での恵樹とのことを知っている?でなければ、あんな態度はおかしい。ある意味、挑戦するような態度。
梨々香にはわかっていた。朋華が恵樹に好意を持っていることくらいは。席が隣になったときの燥ぎ様。恵樹の顔を見るときの満面の笑み。他愛もないことを恵樹と話すだけで、頬を染める表情。本人は気が付いていないのかもしれないけど、周囲の誰しもが、朋華が恵樹に好意を持っていることを知っていた。
ポーカーフェイスとか、演技とかできない不器用な朋華。そういうところは梨々香も嫌いじゃない。真っすぐな素直さを嫌うほど梨々香も擦れているわけではなかった。でも、この態度。普段なら、睨むし、何なら食って掛かるくらいはする梨々香だけど、もしかすると、図工準備室の裏側での一部始終を朋華に知られている可能性を勘案すると、悩んだ梨々香。
梨々香のそんな表情を見て、朋華は、
「何もかも知っているのよ」
と、言わんばかりに梨々香に視線を送った。ギクッとなった梨々香。間違いない。見られた。でも、何も問題はないはず。朋華と恵樹が付き合っているわけではないし、恵樹と一番親しかった心美は退学していないし、そもそも心美だって恵樹と付き合っていたわけではない。
「わたしは、恵樹の元カノ」
そんな意識で梨々香は視線を投げた。元カノ?小学校の低学年の頃にハグしていたから、元カノでいいのかどうか、わからないけど、そう思うことにした梨々香。
「黙っていて」
という意味を伝えた。恵樹が怪訝な顔になったが、無言で軽く頷いた。恵樹の握り拳に重ねた手のひらを丸めて、握りしめた朋華。教卓では担任の横浪が卒業式に関して、説明していた。声は決して大きくない横浪。でも、生徒の耳はその声を聞いていた。
それを見て、朋華は周囲に聞こえないように、恵樹に、
「終わったら、話したいことがあるの」
と、だけ伝えて、恵樹の握り拳に重ねていた手のひらに力を込めた。頷いた恵樹。それを確認すると、手を自分の膝の上に戻した朋華。
廊下側の端の席から二人の様子に視線を送る梨々香と、朋華の視線が交錯した。敢えて視線を合わせた朋華。
梨々香は思った。やはり・・・。教室に戻ってきたときも、そして、今も、朋華は自分を意識している。図工準備室の裏側での恵樹とのことを知っている?でなければ、あんな態度はおかしい。ある意味、挑戦するような態度。
梨々香にはわかっていた。朋華が恵樹に好意を持っていることくらいは。席が隣になったときの燥ぎ様。恵樹の顔を見るときの満面の笑み。他愛もないことを恵樹と話すだけで、頬を染める表情。本人は気が付いていないのかもしれないけど、周囲の誰しもが、朋華が恵樹に好意を持っていることを知っていた。
ポーカーフェイスとか、演技とかできない不器用な朋華。そういうところは梨々香も嫌いじゃない。真っすぐな素直さを嫌うほど梨々香も擦れているわけではなかった。でも、この態度。普段なら、睨むし、何なら食って掛かるくらいはする梨々香だけど、もしかすると、図工準備室の裏側での一部始終を朋華に知られている可能性を勘案すると、悩んだ梨々香。
梨々香のそんな表情を見て、朋華は、
「何もかも知っているのよ」
と、言わんばかりに梨々香に視線を送った。ギクッとなった梨々香。間違いない。見られた。でも、何も問題はないはず。朋華と恵樹が付き合っているわけではないし、恵樹と一番親しかった心美は退学していないし、そもそも心美だって恵樹と付き合っていたわけではない。
「わたしは、恵樹の元カノ」
そんな意識で梨々香は視線を投げた。元カノ?小学校の低学年の頃にハグしていたから、元カノでいいのかどうか、わからないけど、そう思うことにした梨々香。

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