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Sturm und Drang-疾風怒濤-霞んだ空の向こう側
第8章 告白
いつも笑顔だった朋華が、項垂れて、
「ごめんね。わたしの肘が当たって。痛かった。ごめんなさい。ワザとじゃないの。わかって」
と、泣き崩れそうになっていた。あの事件の後、学校は二人を引き離した。学校の判断は、故意の可能性があると判断した部分と、同じようなことが二度とあってはならないと判断した部分と、その双方だったのだろう。しかし、現実は、まったく違ったのだけど。それが発覚したのは、中学生になってからだった。匡彦が殴るところを見ていた香菜が、「匡彦が殴った」と、学年主任の中川丈一郎に伝えたが、日比野教頭や中川主任は、「卒業まで誰にも話すな」と高校卒業まで口止めされていた。口止めされたことが不満だった香菜は、教頭や主任の「卒業」は高校卒業だとわかっていたが、小学校の卒業式の後で、朋華や恵樹に暴露した。
そんなことがあったからか、香菜は、中学三年間、教員から問題児扱いをされ続けていた。香菜はそんな教員たちを鼻で笑って、高校受験の勉強を始め、最難関の高校への進学を決めていた。
朋華も受験をすることにして勉強をしていた。勉強は苦手だし、嫌いだったけど、ここから脱出することがモチベーションになって三年間、頑張れた。それは恵樹も同じ。
香菜も朋華も恵樹も、三人ともというより、心美や早苗も、自分の通う学校が嫌いだった。
恵樹は今でも憶えている。当たった感覚もないのに、肘が当たったと言い募る匡彦の言葉に従って、謝るように強要した教頭や主任の顔。そして、言われるうちに、もしかしたら自分が服を着替えるときに勢いよく振った腕。その肘が当たったのかもしれないと思った朋華が自分に謝った。朋華の肘が当たったと言い続けていた教頭や主任。本当に匡彦の言っていることを信じていたのか・・・。恵樹には腑に落ちないことばかりだった。机と机の間を歩いていた。目の前からいきなり何かがぶつかってきて、倒れた。軽い脳震盪を起こすほどの衝撃。
それが体重の軽い朋華の肘なのか・・・。恵樹の父は、「物理的にありえない」と言った。体重が四十キロあるかどうかの朋華。父は言った「それでは脳震盪には至らない」と。しかし、教頭も主任も匡彦の言葉を支持した。
小学校の卒業式の後。香菜が暴露した。教頭と主任から口止めされたことも何もかも。
「ごめんね。わたしの肘が当たって。痛かった。ごめんなさい。ワザとじゃないの。わかって」
と、泣き崩れそうになっていた。あの事件の後、学校は二人を引き離した。学校の判断は、故意の可能性があると判断した部分と、同じようなことが二度とあってはならないと判断した部分と、その双方だったのだろう。しかし、現実は、まったく違ったのだけど。それが発覚したのは、中学生になってからだった。匡彦が殴るところを見ていた香菜が、「匡彦が殴った」と、学年主任の中川丈一郎に伝えたが、日比野教頭や中川主任は、「卒業まで誰にも話すな」と高校卒業まで口止めされていた。口止めされたことが不満だった香菜は、教頭や主任の「卒業」は高校卒業だとわかっていたが、小学校の卒業式の後で、朋華や恵樹に暴露した。
そんなことがあったからか、香菜は、中学三年間、教員から問題児扱いをされ続けていた。香菜はそんな教員たちを鼻で笑って、高校受験の勉強を始め、最難関の高校への進学を決めていた。
朋華も受験をすることにして勉強をしていた。勉強は苦手だし、嫌いだったけど、ここから脱出することがモチベーションになって三年間、頑張れた。それは恵樹も同じ。
香菜も朋華も恵樹も、三人ともというより、心美や早苗も、自分の通う学校が嫌いだった。
恵樹は今でも憶えている。当たった感覚もないのに、肘が当たったと言い募る匡彦の言葉に従って、謝るように強要した教頭や主任の顔。そして、言われるうちに、もしかしたら自分が服を着替えるときに勢いよく振った腕。その肘が当たったのかもしれないと思った朋華が自分に謝った。朋華の肘が当たったと言い続けていた教頭や主任。本当に匡彦の言っていることを信じていたのか・・・。恵樹には腑に落ちないことばかりだった。机と机の間を歩いていた。目の前からいきなり何かがぶつかってきて、倒れた。軽い脳震盪を起こすほどの衝撃。
それが体重の軽い朋華の肘なのか・・・。恵樹の父は、「物理的にありえない」と言った。体重が四十キロあるかどうかの朋華。父は言った「それでは脳震盪には至らない」と。しかし、教頭も主任も匡彦の言葉を支持した。
小学校の卒業式の後。香菜が暴露した。教頭と主任から口止めされたことも何もかも。

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