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Sturm und Drang-疾風怒濤-霞んだ空の向こう側
第8章 告白
先生なんて信用できない。それが、恵樹や香菜、朋華の合言葉になった。そして、朋華がある歌を教えてくれた。

朋華の父が好きで、カラオケに行けば必ず歌うという尾崎豊の『卒業』という歌。学校を取り巻く大人たちへの不信を歌う歌詞。嘘で塗り固めた学校組織からの『卒業』を歌い上げる尾崎豊の鮮烈な歌詞。当然、誰も生前の尾崎豊を知らない。でも、YouTubeで尾崎豊の『卒業』は聴けた。

孤独ではなかった。なんでも話し合えた。共通の敵がいたから。でも、校舎の窓ガラスを割ることはなかったし、品行方正に皆、過ごしていた。学校に守られる側の生徒の方が暴れていた。そう、守られるから何でも無茶苦茶に横車を押していた。耐えるしかなかった。それが恵樹や香菜、朋華の九年間だった。

そう、耐えていたのは、梨々香も同じだった。それを朋華はこの日、初めて確認した。人目のあるところではハグしていないけど、恵樹と梨々香はハグしているのではないかと疑っていた朋華。でも、それが違ったことを知った。

恵樹は朋華がずっと梨々香と自分の関係を気にしていたことを知って、なんとなく感じていた朋華の一歩引いた立ち位置が納得できた。

いつも笑顔で話していて、楽しい朋華。でも、なぜか、その笑顔の向こう側に屈託がないとは言えない、というより屈託があると感じていた恵樹。その理由がわかった様な気がした。

可愛いし、健気。

「今から言うことを信じられるかどうかわからないけど、俺も、今まで抱いてきた思いを伝えるよ」

恵樹が前置きした。朋華は緊張の面持ちで、次の言葉を待っていた。

「憶えているかどうかわからないけど、入学式の日。教室がわからなくて探していた」

恵樹が話し始めると、朋華の記憶が反応し、

「そう。教えてくれたのは恵樹くん」

と答えた。

「そうだよ。あのとき、『ありがとう』って、俺に微笑んでくれた」

恵樹が話すと、頷いた朋華。

「あのとき俺は朋華が好きになった。そう、あの時からずっと」

恵樹が立っている朋華を見上げて言った。驚きと喜びが顔に広がった朋華。でも、すぐに消えた。

「だったら、なぜ、梨々香と・・・」

そう言われるのは嬉しいけど、現実は、恵樹と梨々香は、1年生の間、ずっとハグをしていた。

「知っているだろ。梨々香は、いつもあの調子だから」

恵樹が溜息交じりに話した。
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